ホワイト企業認定は意味ない?取得のメリット、評価項目、認定企業一覧、認定の流れを解説

近年、企業がブラックか、ホワイトかという点を多くの人が重視しています。業務内容や給料の他、柔軟な働き方ができるか、ワークライフバランスが保てるか、という点で就職する企業を決定する人も増えています。

このような企業の働き方を客観的に示すホワイト企業認定という制度があります。2024年4月現在で、483社がこのホワイト企業認定を取得しています。

本記事では、ホワイト企業認定について取得のメリット、評価項目、認定企業一覧、認定の流れについて説明していますので、参考にしてみてください。

目次

ホワイト企業認定の概要

ホワイト企業とは

ホワイト企業とは、一般的には従業員にとって働きやすい環境が整っている企業を指します。一口にホワイト企業といっても色々な観点があります。法令が遵守されているか、労働時間は適切か、福利厚生が充実しているか、多様性が重視されているかなど。

ただ、ホワイト企業に明確な定義はなく、人によって捉え方が異なる場合もあります。

ホワイト企業認定とは

ホワイト企業認定とは、一般財団法人日本次世代企業普及機構(通称:ホワイト財団)が実施している企業のホワイト化を客観的な指標に基づき評価する認定制度です。累計で483社が認定を受けており、認定率は約19%となっています。

ホワイト企業認定

ホワイト企業の認定基準

ホワイト企業の定義

ホワイト企業認定においては、ホワイト企業とは以下の3要素を併せ持つ企業を指します。

  • 長期にわたって健全な経営を続けられる優れたビジネスを行う企業
  • 従業員が安心して働き続けられるために優れた社内統治を行う企業
  • 時代のニーズに合わせた従業員の働きがい(エンゲージメント)を高く保つ企業

ホワイト企業認定 7つの指標

ホワイト企業認定は、ビジネスモデル/生産性、ダイバーシティ&インクルージョン、ワーク・ライフバランス、健康経営、人材育成/働きがい、リスクマネジメント、労働法遵守の7つの項目に基づき評価されます。

指標説明
ビジネスモデル/生産性自社で行うビジネスが、高い安全性・安定性を有し長期永続が可能である。
また、生産性向上の施策を積極的に行いビジネスをさらに推進させている。
ダイバーシティ&
インクルージョン
全ての従業員がそれぞれの特色/個性/経験等を活かし、活躍できる会社を目指して多様な人材の活躍支援をおこなっている。
柔軟な働き方全ての従業員のワーク・ライフバランスの実現に向けて就業場所や時間、ライフステージにとらわれないような柔軟な勤務形態を導入することで、キャリア実現を支援している。
健康経営従業員の健康を重要な経営資源として捉えて、個人の健康増進を企業の業績向上に繋げるための施策を取り入れている。
人材育成/働きがい働く従業員と企業の関係を対等ととらえ、お互いが同じ方向に向かって成長するための取り組みを行い組織力を強化している。
リスクマネジメント経営を行っていく上で障壁となるリスク及び、リスクが及ぼす影響について事前に対策し、危機発生の回避をするとともに、危機発生時の損失を極小化するための取り組みを行っている。
労働法遵守従業員が安心して安全に働くことができ企業活動を円滑に行うために、労働に関する法律の内容を正しく理解し遵守している。
ホワイト企業認定

ホワイト企業認定が必要とされる背景

働き方改革の推進

近年、長時間労働や過労死・過労自殺といった問題が深刻化しており、労働環境の悪い企業を”ブラック企業”と呼称することも一般的になりました。このような背景を受け、各企業は働き方改革を推進し、ホワイト企業となるための取組を推進しています。例えば、労働時間の短縮、休暇取得の促進、柔軟な勤務形態の提供などに取り組んでいます。

ホワイト企業認定はこれらの取組を客観的に評価することで、いわゆる”ホワイト企業”であることを示すことができます。

人材確保の必要性

エン・ジャパン株式会社が実施した「新型コロナ後の企業選びの軸」についてのアンケート結果によれば、コロナ禍を経験し、企業選びの軸で重視するようになった点として、「希望の働き方(テレワーク・副業など)ができるか」という点が51%で最も多いです。次点で、「希望の条件(勤務時間・休日休暇など)があるか」という点が32%となっています。

エン・ジャパン株式会社「新型コロナ後の企業選びの軸」

このように企業選びに働き方、条件を重視する傾向が強くなりました。少子高齢化による労働力人口の減少により、人材確保が難しい状況下においては、このようなニーズを満たしていく必要があります。

ホワイト企業認定は、上記のような働き方、条件の観点においての柔軟性を客観的に示すことができます。結果として、企業の魅力をアピールし、優秀な人材を引きつける効果が期待できます。

投資家・消費者からの評価

近年、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に配慮したESG投資が世界的に拡大しています。また、新型コロナウイルスの影響を受けて、企業の従業員に対する姿勢がより重視されるようになってきました。ESG投資家は、企業の持続可能な成長を重視し、従業員の働き方や人権への配慮も投資判断の基準にしています。

また、情報化社会の進展により、企業の不祥事やブラック企業の情報が瞬く間に拡散するようになりました。消費者としても、企業の透明性や社会貢献を重視する傾向が強まってきています。

このような状況下において、ホワイト企業認定は投資家・消費者に向けて企業の信頼性を高める効果も期待できます。

ホワイト企業認定取得のメリット

採用活動の強化

前述の通り、求職者にとって企業がホワイト企業であるか、という点は企業を選択する上での重要な要素となります。ホワイト企業認定を取得することで、企業のブランドイメージが向上し、新卒採用・中途採用において募集を増やす効果を期待することができます。

実際にホワイト企業認定を取得した企業で、新卒採用のエントリー数が3倍に増加した企業もあります。

株式会社トモエシステム
新卒採用ではエントリー数が3倍、説明会参加人数は5倍に増加しています。

一般財団法人日本次世代企業普及機構:ホワイト企業認定

従業員の定着率向上

働きやすい環境が整っていることを客観的に証明することで、従業員の満足度やエンゲージメントが高まり、離職率の低下に繋がります。また、従業員のモチベーション向上や生産性向上にも貢献します。

株式会社トモエシステム
一般的には離職率が高いとされる若年層の比率が高まる一方で、 離職率は低下の一途をたどっており、 直近では2.3%と業界平均(15.5%)を大きく下回るほどになりました。

一般財団法人日本次世代企業普及機構:ホワイト企業認定

組織文化の改善

仮にホワイト企業認定を受けられなくとも、認定の取得を目指す中で、自社の労働環境の課題や改善機会を見つけることができます。審査過程を通じて、ビジネスモデル/生産性、ダイバーシティ&インクルージョン、ワーク・ライフバランス、健康経営、人材育成/働きがい、リスクマネジメント、労働法遵守の7つの項目で、どこに強み・弱みがあるのか可視化されるため、効果的な改善施策を打つことができます。

また、認定を取得することにより、経営層や管理職に自社がホワイト企業であるという意識が高まり、従業員の声を聞き、さらに働きやすい環境づくりを進めることを期待できます。

株式会社ゲオホールディングス
経営層や管理職に「ホワイト企業認定取得企業である」という意識が強くなっていきました。

一般財団法人日本次世代企業普及機構:ホワイト企業認定

認定企業一覧

ホワイト企業認定は累計で483社が認定を受けており、2024年6月現在掲載されている企業は307社あります。

[table id=1 /]

ホワイト企業認定取得の流れ

ホワイト企業認定取得までの流れ

STEP
WEB審査を受ける

一般財団法人日本次世代企業普及機構のホワイト企業認定のサイトからWEB審査を受けます。

STEP
WEB審査の結果をフィードバック

WEB審査の結果、ビジネスモデル/生産性、ダイバーシティ&インクルージョン、ワーク・ライフバランス、健康経営、人材育成/働きがい、リスクマネジメント、労働法遵守の各項目が点数で表示されますので、自社の状況・弱み・強みがわかります。

STEP
仮認定/書類審査

1.のホワイト企業認定審査の段階で、認定基準を満たしていた場合「仮認定」となり、その後、書類審査に進みます。

STEP
認定

書類審査に合格後、ホワイト企業認定マーク、ホワイト企業認定証が付与・贈与されます。

認定料

審査・認定料は以下の通りです。

初回審査無料
再審査無料
認定年間240,000円
更新料年間240,000円
ホワイト企業認定

まとめ

近年、多くの人が業務内容や給料の他、働き方という観点を重視しています。そのため、人材確保のためにはホワイト企業であることは非常に重要な要素となります。

ホワイト企業認定を取得することによって採用力、人材定着率の向上が期待できます。また、ホワイト企業認定を取得する中で経営層や管理職の意識が高まることで、組織文化を改善することも期待できます。

ホワイト企業認定は、企業の持続的な成長を支える強力な武器となります。取得を検討されている方は是非、この記事も参考にしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Junyaと申します。本ブログではExcelなどビジネススキルを発信しています。
Youtubeで動画投稿もしていますので、是非フォローお願いします。

コメント

コメントする

目次