5G
5th Generationの略で、第5世代移動通信システムを指す。超高速・大容量、超低遅延、同時多数接続という特徴を持ち、携帯電話だけではなく、4K・8K映像、VR/AR、eSports(ゲーム)、IoT、その他様々な産業・分野での活用が期待されている。
超高速・大容量
5Gの最大通信速度は現在の4Gと比べると、1Gビット/秒から20倍の20Gビット/秒に向上する。これにより、多点映像視聴による臨場感あふれるスポーツ・イベント観戦、防災・医療等の現場での映像利用、VR/AR映像の送受信が期待されている。
超低遅延
5Gでは4Gと比べて、遅延は10ミリ秒から10分の1ミリ秒に向上する。これにより、eSportでのタイムラグのないゲーム対戦の実現、自動運転での衝突防止機能の精度向上、建設・医療等の現場での機械の遠隔操作といった活用が期待されている。
同時多数接続
5Gでは4Gと比べてセンサーや端末機器への同時多数接続では、1平方キロメートル当たり10万台から100万台に向上する。これにより、多様な大量のデータを収集し(IoT)、AIなどで解析・分析することにより、地域課題の解決、ビジネス創出等が期待されている。
3GPP
3G Partnership Projectの略称。AT&TやNortel Networks、BT Group等の通信・ネットワーク事業者が、3G標準仕様を策定するため1998年12月に設立したプロジェクト。5G含む後継世代の移動体通信システムの標準化を継続。
5G NR
5G New Radio。5G用に3GPPが策定した新しい無線アクセス技術。電波のスペクトル効率(一定の周波数帯において転送可能なデータ量)を高める移動体通信の新技術で、LTE(Long Term Evolution)の技術を基礎にしている。
FWA
固定無線アクセスを指し、オフィスや一般世帯と電気通信事業者の交換局や中継系回線との間を直接接続して利用する無線システムを意味する。光ファイバーや銅線等の有線ブロードバンドに代替し、家庭や企業のラストワンマイル部分に無線ブロードバンドを提供することが期待されている。
LTE
Long Term Evolutionの略称。無線を利用した通信規格で、データ通信に特化し、高速化、低遅延、多接続を重視し開発された。ブロードバンドで利用される音声、動画、メッセージング等の様々な種類のトラフィックの処理に適しており、5Gの標準仕様の基礎となった。
ミリ波
30GHz~300GHzの周波数帯の電波を指し、高速なデータ伝送を可能にする。波長が短く電波の直進性が高いため、湿度の上昇や遮蔽物によりパフォーマンスが低下することがある。700M~3.5GHz周波数帯には空きがなく、5Gが使用する電波の一部はミリ波に含まれる。
MIMO
Multiple Input Multiple Outputの略で、送受信機で複数の通信アンテナを同時に使う伝送技術で、データ伝送の効率性を最大化するスマートアンテナ技術。5Gではアンテナ数を大幅に増やすMassive MIMOを採用、高速・大容量の通信を実現。
ネットワークスライシング
ネットワークを仮想的にスライス・分割することにより、アプリ・サービスごとに伝送データを分離し、電波の一部を専用線的に使用することができるようになる技術。5Gでは無線通信区間における仮想的な帯域分割を行うことが特徴。
OFDM
Orthogonal frequency-division multiplexing(直交周波数分割多重方式)。データを複数の互いに直交するサブキャリア(搬送波)に分割する方式で、1ユーザーのデータストリームを周波数の異なる別々のチャネルに分割する。
RAN
Radio access network(無線アクセスネットワーク)。携帯電話、コンピュータなどのデバイスをコアネットワークと無線で接続させる。移動通信システムの各世代を通じて進化し、ネットワークスライシングやMIMOといった各種技術が適切に動作する。
リアルタイムコミュニケーション
ほぼ遅延なしでデータを送受信する通信手段を指し、送信側と受信側で直接的に接続するため、ストレージを必要としない。こうしたリアルタイム性のあるコミュニケーションの利点が5Gで注目されている。
スモールセル
低消費電力で物理的に小型な移動体通信用の基地局を指し、低い周波数帯からミリ波のような高い周波数帯まで広く電波を伝送できる。マクロセルと比べて設備を短時間で導入できる点、電波を効率的に使用できる点が特徴で、5Gではスモールセルでのスポット増設が重要となる。