社会の変化が激しく、予測が難しい現代においては、企業間の競争、ビジネスパーソン間での競争が激化してきております。このような状況下で、より豊かに暮らしていくためには問題解決力が必須だと思います。
問題解決というとどこか縁遠いように聞こえるかもしれませんが、問題解決は企業の経営レベルの話に限ったものではありません。現場レベルにおいても問題解決というのは必ず必要になってきます。それこそ入社したての新入社員であってもです。問題解決力がなければ、他の同期にあっという間に差をつけられてしまうということもあり得ます。逆に問題解決力を身に付ければ、どのような会社・部署・業務においても競争力の源泉となり、人生をより豊かにすることができると思います。
本記事では問題解決力を身に付けるための書籍を5つ紹介します。4月に入社した新入社員の皆さんにもぜひ読んでいただきたいと思う5冊です。
イシューからはじめよ──知的生産の「シンプルな本質」
人は問題・課題に直面した時、どうしても答えや解決策を導くことに急ぎがちです。しかし、世の中の問題や課題は簡単に答えを出せるほど単純なものではありません。特にビジネスの世界では問題・課題はさらに複雑で、解決のための時間やお金・情報といった制約が存在します。
そのため、問題・課題をシンプルにし、真に解決すべきイシューを明らかにする必要があるのです。また、イシューはすべて解決すべきではなく、良いイシュー(本書では「本質的な選択肢である」「深い仮説がある」「答えを出せる」イシュー)を解決する必要があります。本書では、イシューの見極め方、分析方法、解決方法、表現方法がコンサルタントの視点でまとめられております。
問題解決プロフェッショナル
コンサルタントの世界では、限られた時間の中でクライアントの抱える問題を解決する必要があります。加えて、その解決策がきちんと論理的に説明できるものでなければなりません。本書では、問題解決のための2つの思考「ゼロベース思考」、「仮説思考」と,2つの技術「MECE」、「ロジックツリー」、1つのプロセス「ソリューション・システム」を紹介しています。
思考では、問題をいかに効率的かつ正確に解決するかを学ぶことができます。特に、「仮説思考」はその時点での結論を持ちアクションを起こすことで、ベストではないにせよ短時間での問題解決に寄与します。
技術では、フレームワークを用いて問題解決の納得感を高めることができます。いかに優れた解決策であってもそれがどのように導かれたものか説明できなければ、ビジネスの世界では通用しません。そのために必要なのがフレームワークで、誰もが解決までのプロセスを理解することに役立ちます。
最後にソリューション・システムでは、実際のビジネスの現場で活用できる問題解決の手順を学ぶことができます。
問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術
問題解決というのはどこか縁遠い感じもするかもしれませんが、実際はすべての人がビジネス・プライベートにおいても問題に直面し、解決を行っているはずです。ただし、多くの人は「あたりまえの状態」に満足し、「よりより(あるべき姿)」を目指すことができていないのです。与えられた作業を淡々とこなすだけでは、より良い問題解決にはつながりません。
本書では、このような課題意識を持って、より多くの人が問題解決が「できる」ことを重視しています。架空のビジネスストーリーを軸に具体的な問題解決の手順を詳しく解説されており、共感しながら学ぶことができます。「Where・Why・How」という概念をベースに普段見落としてしまっている問題解決の手順に気付けることが本書の良い点だと思います。
MBA 問題解決100の基本
問題解決の型というのはある程度決まっていますが、実際のビジネスの現場で実践することはなかなか難しいです。というのもビジネスのシチュエーションというのは多種多様で、教科書通りの物事が起こるわけではないからです。ですので、実際のビジネスの荒波に揉まれた先人たちの技術を理解することが非常に役に立ちます。
本書では、問題解決の技術について、ベストプラクティスとされる企業・経営者・コンサルタント・経営学者の本質を捉えたフレーズが紹介されています。そして、そのフレーズを具体的にどのように活用していくかが、事例とともに解説されており、非常に実践向きの内容となっています。また、技術だけでなくマインドセットについても紹介されているところが良い点で、ビジネスの現場で実際に問題に直面した場合でも、慌てず解決に取り組むための意識づけができます。
入社1年目から差がつく 問題解決練習帳
問題解決はアイデア勝負と思われがちですが、ビジネスの場では誰が取り組んでも同じ解決策を導くことが重要です。なので、我流で取り組むのではなく、「型」を身に付ける必要があります。
本書では、平易なケースに基づき、【問題】→【事象】→【理由】→【解決策】→【工夫】の順で、問題解決の型を身に付けることができます。正しい答えを出すだけではなく、その答えをどのように他人に納得してもらうかという点にも着目しており、論理的な説明能力を磨くことができます。
まとめ
以上が問題解決力を身に付けるための書籍です。私は実際にこれを読み、ビジネスの現場で活用しています。問題解決のスピードと精度が向上するだけでなく、きちんとクライアントに説明するという点においても問題解決力は役に立ちます。是非、これらを読んでいただき、日々の業務に活用していただければと思います。
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