SCAMPERを使ってアイデアを生み出す　－新規事業立案・課題解決に悩む人へ

2022年12月14日2023年7月10日

新規事業を作ったり、課題を解決するために新しい方法を考えたりと、日々アイデアを出すことに苦労している人は多いと思います。良いアイデアというのはそう簡単に出るものではなく、時間をかければ出てくるというものでもありません。

アイデアを出す際に行き詰ったときに活用していただきたいのが、SCAMPERという枠組みです。

SCAMPERとは

SCAMPERとは、アレックス・F・オズボーンが開発したアイデア発想法を、ボブ・エバールが7つのチェックリストにまとめたものです。以下7つの頭文字を取ってSCAMPERです。

Substitute(入れ替える)
Combine(組み合わせる)
Adapt(適応させる)
Modify(修正する)
Put to other purposes(他の目的に使用する)
Eliminate(除く・縮小する)
Rearrange/Reverse(並べ替える/逆にする)

新しいアイデアを出すのが難しいのは、考え方が固定的になってしまっていることが原因です。その人の知識や経験によって、思考が限定的になってしまい、新しい視点で物事を考えることが難しくなっていることが多いです。知識や経験が豊富になるほど、この状態に陥りやすくなります。

SCAMPERは、既存のアイデアに対して視点を変えて新しいアイデアを生み出す方法です。

7つのチェックリスト

Substitute(入れ替える)

既存のアイデアに対してその一部を入れ替えるとどうなるかを考えます。

代用できるものは何か
プロセス・機能・原料を別のものに入れ替えるとどうなるか
時間・場所を変えるとどうなるか

本来リアルな場で展開されるフリーマーケットをインターネット上に移すことで市場を大きく拡大したメルカリ、フリル、ヤフオクなどがこの例かと思います。

Combine(組み合わせる)

複数のものを組み合わせることによって、新しい概念を生み出すことができないかを考えます。

何と何を組み合わせることができるか
製品・サービスを組み合わせるとどうなるか
どのように組み合わせることができるか

例えば、コンピュータと携帯電話を組み合わせることにより、スマートフォンという新しい製品が生み出されました。

Adapt(適応させる)

既存のアイデアを他の業界・領域に応用することができないかを考えます。

他業界・業種のアイデアを別の業界・業種に当てはめるとどうなるか
過去の事例と同じようなことが通用するか
今回のケースにどのように当てはめるか

例えば、フランチャイズという仕組みは、アメリカのミシン販売店が起源とされていますが、今ではこの仕組みは、コンビニ、レストラン、小売店など多岐にわたって活用されています。

Modify(修正する)

既存のアイデアから一部を修正することによって新しい価値を生み出せないかを考えます。

大きさ、長さ、太さ…を変えるとどうなるか
形を変えるとどうなるか
新しい要素を加えるとどうなるか

例えば、洗濯機といえば従来は縦型が普通でしたが、ドラム式にすることで、洗濯物の出し入れがしやすい、節水ができる、汚れが落ちやすい、という新しい価値を生み出しました。

Put to other purposes(他の目的に使用する)

本来の目的とは異なる目的に使用することによって、新しいユーザー、新しい価値を生み出すことができないかを考えます。

他のユーザーが商品・サービスを使用するとどうか
他の目的で技術を活用するとどうなるか
他の業界で使用するとどうなるか

富士フィルムは元々はカメラのフィルムの会社でしたが、デジタルカメラが普及しフィルムの需要が減少した際には、フィルムの技術を化粧品に活用し、新しい市場を開拓しました。

Eliminate(除く・縮小する)

既存のアイデアに何かを足すのではなく、逆に減らすことによって新しい価値を生み出すことができないかを考えます。

不要なものはないか
一部のプロセスを省略するとどうなるか
ある要素を取り除くとどうなるか

D2C（Direct to Consumer）は、製造者が消費者と直接取引する販売形態のことで、ECサイトの普及により、登場してきました。本来であれば、卸売業、小売業といった業者が介在するところ、それらを排除し、製造者と消費者が直接取引することで、より安価に商品を購入することができるようになります。