統計で見るバイクの危険性と事故になりやすい状況

近年、バイクブームが再燃しており、バイクに乗る人が増えています。また、バイクサブスクリプションやバイクシェアリングなどが登場し、より簡単にバイクを乗ることができるようになりました。

その一方で、やはりバイクは危険というイメージがあると思います。乗っている体感としても、車と比較して無防備であると感じます。

本記事では、バイクは自動車等と比較してどれくらい危険なのか、また、どういう状況で事故が発生しているかをまとめました。

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状態別の重傷者・死者の数は

まず、自動車乗車中、二輪車乗車中、自転車乗車中、歩行中、その他で、重傷者、死者がどれくらい発生しているかを見てみます。

下図は重傷者のデータですが、2021年は自動車乗車中で6,717人、二輪車乗車中で6,969人、自転車乗車中で6,589人、歩行中で6,876人、その他で53人の重傷者が発生しています。全体の傾向として、減少傾向にあることがわかります。

道路の交通に関する統計

割合別で見ると、2021年は自動車乗車中が25%、二輪車乗車中が26%、自転車乗車中が24%、歩行中が25%となっています。

道路の交通に関する統計

 

次に死者数についてみると、2021年は自動車乗車中で860人、二輪車乗車中で463人、自転車乗車中で361人、歩行中で941人、その他で11人の死者が発生しています。重傷者と同様で、こちらも全体的に減少傾向となっています。

道路の交通に関する統計

割合別で見ると、2021年は自動車乗車中が33%、二輪車乗車中が18%、自転車乗車中が14%、歩行中が36%となっています。

道路の交通に関する統計

 

以上のデータだけを見ると、自動車と比較してもバイク(二輪車)はそれほど重傷者、死者は多くないように思えます。

しかし、自動車とバイクでは台数が圧倒的に異なります。

下図は自動車・二輪車の保有台数と重傷者数を1つのグラフにまとめたものです。これを見てみるとバイク(二輪車)は保有台数が自動車と比べても圧倒的に少ないにもかかわらず、重傷者数は自動車とそれほど変わりはありません

道路の交通に関する統計
一般財団法人 自動車検査登録情報協会

死者数についても、二輪車の保有台数に対して死者数がかなり多いことがわかります。

道路の交通に関する統計
一般財団法人 自動車検査登録情報協会

 

保有台数に対する重傷者・死者の割合を表したのが、下図のグラフです。絶対的な値としてはそれほど大きくはないものの、二輪車は自動車と比較して重傷率、死亡率がかなり高いことがわかります。

2021年のデータでわかりやすく言うと、重傷者に関して、自動車は9,218人に1人なのに対して、二輪車は540人に1人死者は、自動車は71,997人に1人なのに対して、二輪車は8,126人に1人となっています。(1人1台で換算した場合)

 

怪我・致命傷になりやすい体の部位は

それでは、バイクによる事故で怪我をしやすい場所や致命傷になりやすい体の部位はどこでしょうか。

2021年の損傷主部位別重傷者・死者数が下図です。

重傷者については、多くが腕や脚を怪我しています。死者については、頭部・胸部が致命傷になっているケースが多いようです。

道路の交通に関する統計

 

死者については頭部が致命傷になることが多いので、ヘルメットをすれば安心かというとそうでもないようです。下図は二輪車の死者の内、ヘルメットを着用していたかを表すデータですが、多くの死者がヘルメットを着用していたことがわかります

道路の交通に関する統計

なので、ヘルメットを着用していたとしても死亡のリスクが十分あるということが言えます。

 

事故になりやすい状況

それでは、どのような状況でバイクの事故が発生しているのでしょうか。

ここでは、警視庁が発表している二輪車の死亡事故類型のデータを引用したいと思います。

警視庁「二輪車の交通死亡事故統計(2021年中)」

単独での事故が最も多いことがわかります。

単独での事故の原因として考えられるのが、スピードの出しすぎです。バイクは車重が軽いため、非常に加速しやすい乗り物です。スピードを出してコントロールが効かなくなり、事故になってしまうパターンが多いと考えられます。二輪のため、少しバランスを崩すとコントロールが難しいのです。

次に多いのが出会頭の事故です。

出会頭の事故で考えられるのは、視界の狭さによる安全確認の不足が原因だと考えられます。バイクはヘルメットを着用するため、どうしても視界が狭くなってしまいます。また、スポーツタイプのバイクだと前傾姿勢になり、目線が下がってしまいます。結果として、安全確認が十分に行えずに事故になるケースが考えられます。

また、サンキュー事故のようにバイクがすり抜けをすることも原因として考えられます。バイクは自動車と比べて小さいため、他の運転者からは見づらいことが多いです。そのため、すり抜けをすることで他の自動車に隠れてしまい、他の運転者がバイクをきちんと確認できないまま、事故になるケースもあるかと思います。

加えて、バイクによる追い越しも原因となりえます。バイクは車体が小さいため、追い越しがしやすいです。無理な状況で追い越しをすることで対向車とぶつかったり、前方の車にぶつかったりということが考えられます。

 

被害を最小化するために

安全運転を心がけるというのは当然として、それでも事故のリスクが高いのがバイクです。ここでは事故の被害を最小化する方法を紹介したいと思います。

“適切な”ヘルメットを”適切に”着用する

まず、適切なヘルメットを着用することが大切です。

ヘルメットの安全性は、フルフェイス>ジェット>半キャップの順で高いといわれています。なので、できる限りフルフェイスのヘルメットを着用することが望ましいです。ジェット型でも良いのですが、あごや顔を怪我するリスクはあります。半キャップ型は軽くて良いのですが、やはりカバーされているのが、頭の上部だけなので、怪我のリスクは高まってしまいます。

それぞれのヘルメットの特徴については、下記のサイトも参考にしてみてください。

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次に適切に着用することが大切です。

警視庁の最新の調査によれば、24.7%の人がヘルメットのあごひもをゆるく結束していたり、結束していなかったりと、不適切な着用をしています。

警視庁「二輪車利用者に対するヘルメット及び胸部プロテクターの着用状況調査結果」

さらに、死亡事故において33%が発生時にヘルメットを脱落しています。中でも半キャップ型の割合が40%と最も高いです。

警視庁「二輪車利用者に対するヘルメット及び胸部プロテクターの着用状況調査結果」

事故発生時に備えて、乗車する前にはあごひもをきちんと締めているかを確認することが非常に大切です。

プロテクターを着用する

また、ヘルメットだけでなくプロテクターを着用することも重要です。

事故による頭部の怪我ももちろん多いのですが、胸、腕、脚の怪我や致命傷もかなり多いです。特に胸については致命傷になる場合が多いため、最低限、胸部のプロテクターを着用することが望ましいです。

道路の交通に関する統計

警視庁の最新の調査によると、胸部プロテクターの着用率は8.9%とかなり低いです。

着用が面倒くさいという理由が多いようですが、ウェアと一体になっているプロテクターなどもあるので、最低限そのようなものを着用することが必要かと思います。

任意保険に加入する

最後に事故が発生したときに備えて任意保険に加入することも大切です。自分が事故の被害者・加害者いずれの場合でも、役に立ちます。自賠責保険しか加入していないと十分な補償を得ることができません。バイクに乗る際は、上記の危険性を理解した上で、適切な保険に加入することが望ましいと考えます。

バイク保険一括見積もりなどを利用することで自身に合った保険を見つけることができます。

 

バイクの自賠責保険については下記記事も参考にしてみてください。

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まとめ

以上、見てきた通り、バイクは自動車と比べて危険性が高いということは数字が証明しています。なので、まずその危険性を理解した上で乗車することが大切です。

一方で、怪我をしやすい場所、事故になりやすい状況なども明確になっているので、対策は取りやすいといえます。本記事で紹介した対策を参考に日々の安全運転を心がけましょう。

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この記事を書いた人

Junyaと申します。都内のコンサルティングファームで働いております。まだまだ若輩者ですが、私の得た経験や感じたことを本ブログで紹介できればと思います。
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