どのような仕事でも会議・ミーティングは必要不可欠です。しかし、1つ1つの会議に対して注意を払わず、”とりあえず”会議を行っていることが多いのではないでしょうか。
会議というのは非常に時間とコストを要するものです。時間という点では、1時間の会議であれば参加者は1時間拘束されるわけです。コストという観点では、会議の参加者の人件費、会議室の利用料などを必要とします。時給5,000円の5人が1時間の会議に参加する場合、少なくとも25,000円のコストをかけているわけで、会議にはそれに見合うだけの価値がなくてはなりません。
なので、1つ1つの会議に注意を払い、会議の設定、準備、実施を行っていく必要があります。
本記事では、会議を行う際にやってしまいがちな”とりあえず”行為を紹介するとともに、望ましい会議のやり方を紹介したいと思います。
“とりあえず”会議を設定
まず、”とりあえず”会議を設定してしまうという行為が挙げられます。「とりあえず週1でやろう」、「とりあえず毎日やろう」という会議の設定をやってしまいがちです。しかし、このような設定の仕方では、会議で議論することがない、会議の準備が間に合わないといった事態に陥ることがあります。
望ましい会議設定
このような事態を避けるため、会議を設定する際はプロジェクト全体のスケジュールを踏まえ、マイルストン、タスクを考慮した会議設定の方法を行いましょう。重要なマイルストンの手前では集中して会議を設定する、タスクの完了のタイミングで会議を設定する、といったようにスケジュールを前提とした会議設定を行いましょう。その際には、各会議で議論するテーマを可能な限り明らかにすることも心がけましょう。
“とりあえず”1時間の会議
会議で特にやりがちなのが、”とりあえず”1時間で会議を設定することです。キリの良い数字ということもありますが、世の中の会議は1時間で設定されることが非常に多いです。しかし、何も考えずに1時間で設定しているため、時間が足りなかったり、余ったりすることが頻繁に起こります。きちんと会議の時間が設定されないと、他の予定に影響を与えたり、無駄に参加者を拘束させてしまうことにもなります。
望ましい会議の時間
会議を設定する際は、その会議で議論する議題(アジェンダ)を明確にした上で、その議題でどの程度時間を要するか想定した上で、会議の時間を設定しましょう。余裕を持って時間を設定することも重要ですが、余裕を持たせすぎてもいけません。あらかじめ参加者からメールなどで意見を収集し、どの程度議論の時間が必要かを明確にすることも有用です。
“とりあえず”人を呼ぶ
これもやりがちですが、会議に”とりあえず”たくさん人を呼ぶことです。たくさん人を読んだ結果、会議の中で一切発言しない人がいるような場合もあります。また、重要な意思決定を伴う会議でもないのに、高い職位の人を呼んでしまっては、時間を無駄に使わせてしまいます。それだけで高い時給が無駄に発生してしまうということを理解する必要があります。
望ましい人の呼び方
会議にどのような人を呼ぶかは、きちんと会議のテーマに準じて決定しましょう。会議の中でどのような意思決定が必要なのか、どのようなプレイヤーが関連するのか、必要な知識は何か、といった観点で会議に呼ぶ人を選定し、会議の中で役割を持たない人が発生しないようにすることを心がけましょう。選定が難しい場合は、あらかじめ会議のアジェンダと議論すべきポイントを明確にし、参加者に出席が必要かどうか意見を求めることも有用です。
“とりあえず”会議を始める
会議を始める際、”とりあえず”資料の説明を始める人がいます。しかし、そもそも会議の目的が共有されていなければ、参加者は説明を受けても頭に入ってきません。また、どのような意見を出せばよいかも分かりません。
望ましい人の呼び方
このような事態を回避するため、会議を始める際には、会議の目的、アジェンダ、議論ポイントをきちんと明確にしましょう。これらが分かっていれば会議の参加者は、どのような意見が求められているか、どのタイミングで発言すべきか、注意して聞くポイントを判断することができます。より望ましいのは、会議の前日にメールなどであらかじめ会議の目的、アジェンダ、議論ポイントを共有しておくことです。
“とりあえず”説明を続ける
会議というのは一方的にプレゼンテーションを行う場ではありません。きちんと参加者の意見を伺う必要があります。そのため、一方的に説明を続けることは好ましくはありません。参加者もどのタイミングで発言をすれば良いか分からなくなります。
望ましい会議の進め方
一つのテーマを話し終わったら、参加者に意見を求める時間を設けるなど、こまめに議論の場を設けるのが望ましいです。参加者もどのタイミングで発言をすれば良いか明確になります。そして、テーマごとに集中的に議論を行うことができ、より良い議論を行うことができます。
“とりあえず”メモをする
会議を行う際は議事録をつくると思いますが、“とりあえず”会議の発言をすべてメモをする人がいます。参加者の会話を全てメモをするのは非常に手間がかかります。メモを取るのが大変というだけでなく、議事録を見るほうも大変です。整理がされておらず、どこを見れば会議の要点を理解できるのかもよくわかりません。
望ましいメモの取り方
メモを取る際は、発言内容を全て記録するのではなく、きちんと論点ごとに意見を整理し、あまり重要でない意見については省略してしまいましょう。論点ごとに整理されていれば、議事録を見直した際にどこに要点が書いているか明確となり、短時間で理解をすることができます。
議事録の書き方については下記の記事も参考にしてください。
“とりあえず”締める
説明と議論が一通り終わったら、“とりあえず”「ありがとうございました」といって会議を締めてしまいがちです。しかし、これでは会議によってどのようなことが決定したか明確ではありません。これでは会議を行った意味はないもの同然です。
望ましい会議の締め方
会議を終了する際には、きちんとその会議で合意した内容、次の会議までに実施すべき内容(ネクストアクション)、会議内では解決できずに残ってしまった課題(残課題)を明確にしましょう。参加者はそれらの内容を踏まえ、自分自身の作業を行うことができます。会議の最後に振り返ることで、参加者間で認識を合わせることができます。
“とりあえず”資料を送る
会議後に参加者に資料を送る際に、会議で使った資料をそのまま送ってしまいがちです。しかし、会議の中で様々な意見が出ており、資料を修正する必要がある場合も多いと思います。そのままの資料を送ってしまっては、参加者に誤った認識を与えてしまう可能性があります。
望ましい会議後の資料送付
会議後資料を送る際には、会議で受けたフィードバックをきちんと踏まえ、資料を修正した上で送付することを心がけましょう。修正すべき点が多くて時間がかかる場合は、資料をどのように修正するかメモを残した上で送付しましょう。これによって会議参加者は、議論の内容踏まえ、資料が修正されていることに安心することができます。また、修正内容の認識の齟齬を早期に発見することができます。
まとめ
以上が会議・ミーティングでやってはいけない”とりあえず”行為の8つです。繰り返しとなりますが、会議というのは多くの時間とコストを要するものです。1つ1つの会議を無駄にしないためにも、会議は”とりあえず”で行うのではなく、きちんと注意を払って行うことを心がけましょう。
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