PMP受験記録 -講座、プロジェクトマネジメント経験の書き方、勉強方法、試験の流れについて

先日、PMP試験に1度目の挑戦で合格することができました。そこで、これから受験を考えられている方向けにどんな講座に通ったのか、どのように勉強したのか、試験はどのような流れで行われるか紹介したいと思います。

目次

PMP試験とは

概要・取得のメリット

PMP(Project Management Professional)試験は、プロジェクトマネジメントの経験・スキルを測る試験で、米国のプロジェクトマネジメント協会(PMI)が実施、認定しています。プロジェクトマネジメントのグローバルスタンダードとして、世界で100万人もの資格取得者がいます。

チームのリーダー・マネージャーといったポジションの人が取得を目指す資格で、職種問わずに活用することができます。私はコンサルタントでプロジェクトマネジメントを行う機会が多かったので、資格取得を目指しました。

PMPの資格は、企業が採用時に優遇したり、国の入札案件でも要件となったりと、その価値が認められています。資格取得により褒賞金が支給される企業もあります。

受験資格

受験資格は大きく2つあり、プロジェクトマネジメント経験と研修の受講です。受験申請の際、監査に引っかかってしまうとプロジェクト上司の確認サインが必要となりますので、プロジェクトマネジメント経験については定められた期間をきちんと遵守する必要があります。

1プロジェクトマネジメント経験【高卒・短大者の場合】
プロジェクト業務を指揮・監督する立場で、60ヶ月のプロジェクト
マネジメント経験。
【大卒者の場合】
プロジェクト業務を指揮・監督する立場で、36ヶ月のプロジェクト
マネジメント経験。
2研修の受講35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講

私は36ヶ月のプロジェクトマネジメントの期間を経てすぐに、PMP講座を受講しました。

PMP講座について

PMPを受験するためには、35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修を受講する必要があります。

私は、e-projectのPMP®受験対策講座をeラーニングで受講しました。本講座では、35時間の講義だけでなく、受験・監査のメールサポート、模擬試験が含まれており、初めて受験する場合や周りに相談できる人がいない場合には非常におすすめです。eラーニングの他に通学講座もありますが、基本的に違いわなく、私が受けた講義では1人の講師の方が、通学・eラーニング双方の受講者に対して同時に講義を行っていました。通学するのが面倒だと感じられる場合は、eラーニングがおすすめです。また、受験申込時にはプロジェクトマネジメントの経験を英語で記入する必要があるのですが、その添削も行っていただけました。

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仕事をしながら受講する人向けに土日コースが用意されており、私も土日コースで受講しました。1日7時間で5日で35時間の研修が行われます。講義の進め方は、講師が説明を行い、セクションごとに模擬演習を行うような形式で行われます。都度、受講者から質問することも可能です。

PMP資格の更新

PMP資格取得者は、更新のため取得後3年間で60PDUを獲得することが求められます。

PDU取得ならBizLearn【BizLearn】

BizLearnでは、一度にPMP®更新に必要なPDUをすべて取得することができます。オンライン講座なので、時間や場所を選ばず学習を進めることができるので、忙しいビジネスパーソンにおすすめです。専任チュータの個別学習指導がついているので、疑問に感じた点はすぐに質問することができます。

受験申請について

Applicationの作成

プロジェクトマネジメントの経験を持ち、35時間の研修を終えると受験の申し込みを行うことができます。その際に自身のプロジェクトマネジメントの経験について記述する必要があります。具体的には以下の項目を記入します。

項目内容
Project Titleプロジェクトの名称
Organizationプロジェクトを実施した企業・団体の名前
Job Title役職(基本的に、”project manager”と記載します)
Functional Reporting Area部署、機能領域
Organization Primary Focus業種
Approach/Methodology開発方法を選択
・Traditional(Waterfall)
・Agile
・Hybrid
Project Team Sizeチーム規模
Project Budgetプロジェクト予算
Project Datesプロジェクト期間(受験資格を満たすように記入する必要があります。すなわち、高卒・短大者は60ヶ月、大卒者は36ヶ月以上になるように記入します)
Project Descriptionプロジェクトの説明(自由記述。英語で200~500語)

基本的には、自身のプロジェクト経験に基づき、選択・記入していきます。Project Description以外は迷う点は少ないと思います。

Project Descriptionの書き方

それでは、Project Descriptionはどのように記載すればよいか説明します。

まず、文章の長さは英語で200~500語ですが、最低限の量を記載すれば大丈夫です。日本語で最初にドラフトする場合は、700字程度あれば文字数としては足りると思います。

記述はきちんと見出しを付け記載します。具体的には以下の項目の見出しが必要です。

  • Objective(プロジェクトの目的)
  • Role(役割)
  • Responsibility and Deliverable(プロセス群ごとの責任と成果物)
  • Outcomes(プロジェクトの結果)

日本語で記載すると以下のようなイメージです。あくまで概要を記載すればよく、詳細な情報は必要ありません。また、プロセス群ごとの責任と成果物では、各プロセスで必要なツール・役割を記載することが重要です。きちんとプロジェクトマネジメントの内容を理解していることを示すためです。

・プロジェクトの目的
金融機関における顧客の審査業務を効率化するシステムを構築することである。

・プロジェクトにおける役割
プロジェクトマネージャーである。

・プロセス群ごとの責任と成果物
立ち上げプロセスにおいては、金融機関におけるステークホルダーを特定し、ステークホルダー分析を行った。これらの内容を踏まえ、ステークホルダー登録簿とプロジェクト憲章を作成した。
計画プロセスにおいては、各ステークホルダーの要求事項を収集し、プロジェクトのスコープを定義した。定義したスコープに基づき、スケジュール、コストを見積もりを行った。また、SWOT分析によりリスクを特定し、その対策を策定した。これらの内容を踏まえ、プロジェクトマネジメント計画書を作成した。
実行プロセスおいては、スケジュール、コスト、品質の管理を行った。また、チームメンバー間での双方向のコミュニケーションの機会を増やすことで、チーム間におけるコンフリクトの予防を行った。また、トレーニングを企画することでチームメンバーのスキル向上を行い、パフォーマンスを向上させた。
監視・コントロールプロセスにおいては、リスクの監視を行い、リスク登録簿へ新たなリスクの追加、対応済みのリスクの更新を行った。また、スコープの妥当性の確認を行い、変更要求の承認を実施した。また、コストの計画値と実績値の差異の原因を追究し、変更要求を提案した。
終結プロセスにおいては、すべてのプロジェクト成果物を納品した。プロジェクト教訓を作成し、以降のプロジェクトメンバーに共有した。

・プロジェクトの結果
全ての成果物を納期内に納品し、プロジェクトオーナーや主要なステークホルダーから高い評価を得た。

これらのプロジェクトマネジメントの経験と必要事項を登録し、受験申請を行います。PMIによって承認されるとテストセンターでの試験の予約を行うことができます。

勉強方法

私はPMP講座を受講する前にPMBOKの体系を理解するため、以下の書籍を読みました。複雑なPMBOKの内容がわかりやすく図解されており、概要を理解する上で非常に役に立ちました。PMP講座では35時間と時間が決まっているので、基礎まできちんと教えてはくれないので、予習しておくことをおすすめします。実務では用いない用語も多数登場するので、本書などで意味の確認を都度行うことで、理解を深めることができます。

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もちろん、実際のPMBOKガイドで学習を行っても良いのですが、分厚く、説明も分かりずらいので、あまりおすすめしません。

試験前の学習では、問題演習を中心に行うのが効率的です。PMP試験では、ピンポイントでどこかの領域を問われる問題が多いため、体系的に学ぶことよりも各領域のポイントを押さえていることが重要となります。問題演習を行い、間違った問題についてはテキストで該当箇所を読み、なぜ間違ったのかをきちんと確認することが重要です。

演習中心の学習を行うためにも模擬試験がついている講座を受講することがおすすめです。模擬試験がついていない場合は、以下のような問題集がついているテキストを活用すると良いと思います。

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私は模擬試験形式の問題を6回程度取り組んだ上で試験に臨みました。学習時間としては50時間程度だと思います。もちろん、問題を解く時間だけではなく、復習も含めた時間です。

試験の流れ

試験の概要

試験の基本情報は次の通りです。

問題数180問
時間230分
休憩時間60問解答ごとに1回10分の休憩(計2回)
回答方式複数選択・複数回答、空欄穴埋め、マッチング選択等
合格点60%以上の正答率
試験場テストセンター or 自宅等からオンライン受験

問題数が非常に多く試験時間も長いのが特徴です。2020年9月14日から自宅等でのオンライン受験も可能となりましたが、できればテストセンターで受験することをおすすめします。というのも、自宅でのPCのセットアップ、システムテスト等を行う必要があり、また、トラブルが発生しても自分で対処しなければいけないからです。そういった手間やリスクがあるので、きちんとした環境が整備されたテストセンターでの受験をおすすめします。また、テストセンターで受験する場合は、すぐに予約が埋まってしまうので、早めに手続きを行いましょう。

オンライン受験について

タイムライン

試験当日の流れ(8:00試験開始)の場合をご紹介します。

時間実施事項内容
7:30テストセンターに到着
(私はPMO西新宿で受験しました)
試験の30分前には必ず会場に到着しましょう。
余談ですが、PMO西新宿は7:30ではエントランスは開いていなかったので、脇のインターホンから呼び出して開けてもらいました。
7:30~7:55試験準備到着すると待合室に案内され、試験の注意事項を書いた紙を渡されました。
少し待つと担当者に呼ばれ、スマートフォン等の電源がオフになっているかチェックを受けました。その後、写真撮影を行いました。
ロッカーに荷物を預け、お手洗いなど済ませ受験会場へ向かいました。
7:55~8:00手荷物チェック受験会場に入る前には厳重な手荷物チェックがあります。
認められた物以外は試験会場に持ち込めないため、ポケットの隅から隅までチェックされます。きちんとロッカーに手荷物をしまったかきちんと確認を行いましょう
8:00試験開始正確には8:00ではなかったかもしれませんが、大体時間通り始まったと思います。
8:00~9:1060問解答最初の60問の解答を大体70分ほどで行いました。これぐらいのペースであれば余裕を持って、全問解答することができます。
9:10~9:20休憩60問解答後休憩を取りました。休憩は取っても取らなくてもどっちでも良いです。
10分と時間が少ないので、トイレ、水分補給ぐらいしかできませんでした。
9:20~11:30120問解答休憩後120問を一気に解答しました。60問後休憩を取ることができますが、それほど疲れてはなかったので、そのまま続けることにしました。
ですが、長丁場になるのでちゃんと休憩を取ったほうが良かったと少し後悔しています。
11:30試験終了・結果確認私はスムーズに解答することができたので、20分ぐらい余らせて試験を終了しました。試験を終了するとすぐに画面に結果が表示されます。
思いのほかあっさりと結果が表示されるので、拍子抜けしてしまいました。
11:35帰宅試験結果のレポートを受け取り、すぐに帰宅しました。

まとめ

以上、PMP試験の講座、プロジェクトマネジメント経験の書き方、勉強方法、試験の流れについて説明して参りました。PMP試験は決して難関な試験ではなく、きちんと勉強すれば合格することができます。1つ1つの講義、模擬試験できちんと理解を深め、効率的に学習し短期間かつ1回での合格を目指しましょう。

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この記事を書いた人

Junyaと申します。都内のコンサルティングファームで働いております。まだまだ若輩者ですが、私の得た経験や感じたことを本ブログで紹介できればと思います。
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