新型コロナウイルスの影響により、ZOOMやTeamsといったオンライン会議の会議システムを活用し、会議・ミーティングが当たり前のようになりました。
このようなオンライン会議は、人との接触をなくせることは勿論、移動時間の削減といったメリットがあります。一方で、会議への接続がうまくいかなかったり、参加者の雰囲気が伝わりにくいといったデメリットもあります。
以下では、オンライン会議をスムーズに進め、有意義な合意を得るために必要な5つのポイントを紹介したいと思います。
1. 目的・議題(アジェンダ)を事前に共有する
オンライン会議では双方向のコミュニケーションが難しく、予定していた議題から脱線してしまうと当初の目的を達成できない、時間通りに終わらない、といった事態が起こります。そのため、事前に会議の目的と議題(アジェンダ)を共有し、参加者全員で認識を合わせることが必要です。参加者は事前に目的・議題を確認することで、発言のタイミングや内容をイメージしやすくなります。
例えば、次のように目的と議題が予めわかっていれば、参加者は目的達成に向けて発言の準備がしやすくなります。
「今回は商品Aについての会議だから商品Bについては議題に挙げないでおこう」、「参入国の課題について事前に確認して発言の準備をしよう」という考慮をはたらかせることができます。
- 目的:商品Aの海外展開の戦略を合意する
- 議題:
- 参入国のターゲティングは?
- 参入方法は?
- 参入国における競合は?
- 参入に当たっての課題は?
2. リーダー(進行役)を明確に決定する
リアルでの会議ではその場の雰囲気で会議が進むこともありますが、オンライン会議では進行役がいないと参加者はどのタイミングで発言してよいかわからないため、沈黙が続いてしまうことがあります。その会議のリーダー(進行役)を明確に決め、リーダーが参加者に発言を促すことで、誰が発言すべきか、誰に意見を求めているのかが明確になります。
例えば、次のように主体を明確にし、発言を促せば、参加者は「自分が発言しなければいけない」ということを自覚することができます。
「Aさん、この部分について説明をお願いします。」
「B部長、この提案についていかがでしょうか」
3. チャットを活用し、議事を残す
オンライン会議では、リアルでの会議に比べて、発言の微妙なニュアンスが伝わりにくいです。また、音声が不明瞭で発言を正確に聞き取れていない可能性もあります。そのため、参加者全員の認識を合わせるため、発言をきちんと文字に起こすことが重要です。
大抵のオンライン会議ツールには、参加者全員が確認可能なチャット機能がついています。そのチャットに発言内容を記録することで、タイムリーに参加者の認識を合わせることができます。発言者は自分の発言がきちんと伝わっていることが確認でき、参加者は聞き取れなかった部分を確認することができます。もし、チャットの内容が間違っていれば、その場で発言者が訂正を行うことによって、会議後の認識齟齬を回避することができます。
図はZOOMのチャット画面
4. 資料の修正はその場で行う
オンライン会議では画面共有機能を活用し、PowerPoint等の資料を提示しながら進めることが多いと思います。そこで資料の修正するよう指摘を受けることもあります。その場合、可能な限り、その場で修正してしまいましょう。
参加者は資料が正しく修正されたかを確認することができ、修正漏れを減らすことができます。その場で修正することが難しい場合は、どのように修正を行うかきちんとメモをしておきましょう。参加者の間で修正内容の認識が合っていれば、次の会議で全員が期待するアウトプットを出すことができます。
5. 合意事項・ネクストアクションを共有する時間を設ける
リアルでの会議では会議終了後も参加者は同じ場所にいるので、その後の会話の中で自然と合意事項やネクストアクションを参加者と確認することができます。一方で、オンライン会議では一度退出ボタンを押してしまうと参加者とのコミュニケーションが途絶えてしまいます。特に他企業のお客様相手では、電話等で簡単に連絡を取ることはできないと思います。
そのため、会議の時間内でその会議で合意したこと、次の会議までに実施することをきちんと確認しておく必要があります。例えば、予め最後の何分間は合意事項・ネクストアクションを確認する時間として設定しておけば、忘れずに確認を行うことができます。
合意事項・ネクストアクションは口頭だけではなく、きちんと言語化されていることが望ましいです。その上で、内容が明確になるように5W1Hを意識した記述であることが重要です。特に「『誰が』『いつまでに』『何を』しなければいけないのか」を明確にしましょう。
- 合意事項:
- 参入国のターゲットはアメリカ・イギリス・中国。
- 参入方法は現地に子会社を設立することとする。
- ネクストアクション:
- Aさんが、アメリカ・イギリス・中国に子会社を設立するに当たって、考慮しなければならない法律を調査する。(期日:2020年5月5日)
- Bさんが、アメリカ・イギリス・中国における競合企業・商品を調査する。(期日:2020年5月7日)
- Cさんが、次回会議までに上記調査内容を取りまとめ、次回会議に説明を実施する。(期日:次回の会議※日程は後ほど調整)
以上が私が考える「オンライン会議をスムーズに進め、有意義な合意を得るために必要な5つのポイント」です。
上記のようなポイントを意識すれば、リアルでの会議と同じように会議はスムーズに進められますし、移動時間の削減により、有意義に使用できる時間が増えるのでメリットの方が大きいように感じます。
オンラインの会議を初めとして、今後、人との接触を伴わない仕事のやり方が「New Normal」となると思いますので、ビジネスパーソンはこの変化に今のうちに適応することが求められているように感じます。
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