【Excel】パレート図を使ったABC分析

この記事では、Excelでパレート図を作成する方法を紹介します。なお、ピボットテーブルを使ったパレート図の作成方法は下記記事をご覧ください。

目次

パレート図を使ったABC分析

ABC分析とは、製品や顧客を売上やコストなど特定のデータに基づいて、重要度の高い順にA・B・Cという3つのグループに分類することです。グループ分けすることで、重点的に資源を投下すべき領域が明確になります。

その際、パレート図を使って可視化することで、製品や顧客の重要度を視覚的に把握し、グループ分けすることができます。パレート図は、以下のようなデータの大きさを降順に棒グラフで表示し、累積構成比を折れ線グラフで表した複合グラフです。

パレート図を見れば、どの顧客が売上に大きく寄与しているか一見してわかり、重点的に取り組む領域が明確になります。

パレート図の作り方

たとえば、以下のような顧客別売上データに基づき、パレート図を作成します。

データの整理

パレート図に表示させるためのデータとして、列に「ランク」と「累積構成比率」を追加します。ランクには各顧客にA・B・Cの分類を記載します。累積構成比率には、ある項目が全体の合計に対して占める割合を、上位の項目から順に加算したものを表示させます。

次にこのデータを売上の大きい順に並べ替えます。「売上」の列にカーソルを合わせた状態で、データタブの降順に並べ替え(Z→A)をクリックします。

これで売上の大きい順にデータを並べ替えることができます。

次に累積構成比率を計算します。一番上の顧客は「売上/売上合計」で計算します。これが全体の売上に対する構成比率を表します。

=C2/SUM($C$2:$C$21)

2番目以降のデータでは、「前の項目の累計構成比率 + その項目の構成比率」となるように数式を入力します。

=D2+C3/SUM($C$2:$C$21)

下にコピーすれば、累積構成比率が表示されます。計算が正しければ、最後の値が100%になっているはずです。

次にこの累積構成比率に基づき、各顧客のランクを付けていきます。ここでは、VLOOKUP関数を使って効率的にランクを付けていきます。ランクの基準値と該当のランクを別の表に整理します。ここでは、以下のように基準を設けてA・B・Cのランク分けを行います。

  • 累積構成比率の0%以上80%未満:A
  • 累積構成比率の80%以上90%未満:B
  • 累積構成比率の90%以上:C

A・B・Cのランク分けの基準は一般的には以下のように分けられます。分析の目的や業界によって適宜変更いただければと思います。

  • Aグループ:累計構成比率70~80%までの顧客
  • Bグループ:累計構成比率90~95%までの顧客
  • Cグループ:残りの顧客

ランクを表示させる方法として、VLOOKUP関数の検索方法に「近似一致(TRUE)」を使用します。これで、「~以上」という範囲で検索して、該当する値を表示させることができます。

VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,[検索方法])
検索値で指定した値を、範囲の左端列から検索する。検索値と一致するデータの左から列番号目の値を抽出し表示する。検索方法に「FALSE」を指定すれば、完全に一致するデータを検索する。「TRUE」を指定すれば、「~以上」と数値を区切って該当する区分を特定する。

ランクを表示させるセルに以下のように数式を入力します。検索値には「累積構成比率」を指定し、検索範囲にはランクの基準を記載した表を選択します。検索方法に「TRUE」を指定すれば、「0%以上」「80%以上」「90%以上」で検索することができます。

=VLOOKUP(D2,$F$2:$G$4,2,TRUE)

これでランクが基準値に基づくランクが表示されます。

数式を下にコピーすれば、A・B・Cというランクが表示されます。

この方法でランク分けすることのメリットは、基準値を変更すれば、ランク付けも自動的に更新されます。

これでパレート図を作成するためのデータの整理を行うことができました。

グラフの作成

作成したデータを選択した状態で、挿入タブの「グラフ」で「複合グラフ」を選択します。

複合グラフで真ん中のグラフを選択し、累積構成比率を第2軸で表示させるようにします。

そうすると以下のような複合グラフが作成されます。

現状、第2軸の最大値が120%になっているので、軸の書式設定から最大値を「1.0(100%)」に変更します。軸の書式設定は軸をダブルクリックで開くことができます。

また、目盛りの単位が10%ずつで少し細かいので、「0.2(20%)」に変更します。

また、下の軸のA・B・Cの分類が重複して表示されているので、社名を各グループで括って表示されるようにします。

ランクの列で、A・B・Cグループのそれぞれ先頭のデータだけを残します。そうすると、各グループで括ることができます。

グラフタイトルなどを修正すれば、パレート図の完成です。

これを見れば、売上の大部分を占めている優良顧客がどこで、どれくらいの売上を占めるのかがわかります。優良顧客の売上をさらに増やすため施策を打つのか、逆に売上が少ない顧客に対するアプローチを強化するのか、といった施策を検討しやすくなります。

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この記事を書いた人

Junyaと申します。本ブログではExcelなどビジネススキルを発信しています。
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