Excelでは、CHOOSE関数を使って複数のシナリオの事業計画を簡単に切り替えることができます。事業計画を複数作成するよりもミスもなく効率的です。
CHOOSE関数とは
CHOOSE関数とは、指定した番号に該当するセルの値を表示する関数です。
関数 | 役割 |
---|---|
CHOOSE(インデックス,値1,[値2],…) | 「インデックス」で指定した番号に該当するセルの値を表示する。 インデックスが「1」の場合「値1」、インデックスが「2」の場合「値2」が表示される。 |
CHOOSE関数を使って複数のシナリオの事業計画を作成する
今回は以下のような事業計画の「1台当たり材料費」について、複数のシナリオを用意して事業計画を変動させるようにしたいと思います。材料費については政治・経済・環境などの要因で変動するため、以下の3つのシナリオを考えます。
- 価格が高騰する「悲観ケース」
- 価格が変動しない「ベースケース」
- 価格が下落する「楽観ケース」

今回の売上計画の表は下記の計算式で作成しています。ベタ打ちされている「1台当たり材料費」についてCHOOSE関数を使って複数のシナリオで切り替えられるようにします。
項目 | 計算式 |
---|---|
売上 | 価格×販売台数 |
価格 | 1台当たり材料費×3 |
販売台数 | 2024年は「1,000」でベタ打ち。 以降は毎年5%ずつ増加すると仮定し、 「前年の販売台数 × (1 + 成長率)」 |
材料費 | 1台当たり材料費×販売台数 |
1台当たり材料費 | ベタ打ち。CHOOSE関数で複数のシナリオを用意。 |
固定費 | ベタ打ち |
利益 | 売上 – 材料費 – 固定費 |
まず、 1台当たり材料費について3つのシナリオと選択したシナリオが表示される枠組みを作成します。今回はわかりやすさのため同じシートに作成していますが、別のシートでも問題ありません。

今回はセルB10の番号をインデックスとして、セルD10に以下のように数式を入力します。番号の割り当ては、「1 = 悲観ケース」「2 = ベースケース」「3 = 楽観ケース」となっています。
=CHOOSE($B$10,D4,D5,D6)

「1」は「悲観ケース」なのでセルD10には「悲観ケース」と表示されます。

セルD10の数式を右側のセルE10~J10までにコピー&ペーストすれば、悲観ケースの数値が表示されます。

たとえば、番号を「3」に変更すると「楽観ケース」の値が表示されます。

あとは、事業計画の「1台当たり材料費」について選択シナリオの値を参照するようにします。2024年では、セルF10を参照します。

セルF19の数式を右側のセルG19~J19までコピーすれば、以下のように「楽観ケース」の「1台当たり材料費」が表示されます。

選択シナリオを「2」に変更すれば、事業計画の「1台当たり材料費」も「ベースケース」の値に変更されます。

CHOOSE関数を使って複数のシナリオを切り替えることで、計算ミスを減らし、シミュレーションを行うことができます。
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