Excelでは条件付き書式を用いて、WBSのタスクを強調したり、グレーアウトしたりすることができます。今回は以下のWBSを例に設定を行っていきます。
「デキる社員の100のコンピテンシー」では、マインドセットとスキルセットに分けて、どのような時代、どのような場所においても通用するコンピテンシーを紹介しています。
マインドセットでは、仕事に対する考え方や信念、価値観などの、思考や行動の基盤となる心の持ち方を解説しています。また、スキルセットについては、仕事を遂行するために必要な能力・技術を解説しています。
WBSで完了したタスクをグレーアウトする方法
まず、WBSの進捗の列が「完了」となっているタスクはグレーアウトするように設定したいと思います。
WBS全体を選択し、「条件付き書式」⇒「新しいルール」をクリックします。
「数式を使用して、書式設定するセルを決定」で以下の数式を入力します。これはH列の進捗が「完了」かどうかを判断する数式です。
=$H4=”完了”
そして、「書式」をクリックし、任意の書式を設定します。
ここではグレーアウトするため、「塗りつぶし」で「灰色」を選択します。その他、フォントの色なども指定することが可能です。
書式を設定したら「OK」をクリックします。
そうすると以下のように、進捗が「完了」となっているタスクがグレーアウトされます。
別のタスクの進捗を「完了」としてもグレーアウトされます。
期限まで〇日前のタスクを強調する方法
次に期日が迫っていることを明らかにするため、期限まで〇日前のタスクを強調させるようにします。今回は期限まで10日前のタスクを黄色の塗りつぶしで表示するようにしたいと思います。
期限までの日数を明確にするため、G列に「期限までの日数」という項目を追加します。
ここでは期限までの営業日数を計算するため、NETWORKDAYS.INTL関数を使用しています。開始日を本日(セルB1)、終了日を終了日(F4)を指定し、土日祝日を除外した営業日数を計算しています。NETWORKDAYS.INTL関数については下記記事も参考にしてみてください。
=NETWORKDAYS.INTL($B$1,F4,1,祝日一覧!$A$1:$A$21)
この「期限までの日数」に基づき、期限まで10日前を判定します。具体的には以下の条件を満たすタスクをハイライトします。
- H列の進捗が「完了」となっていない
- G列の期限までの日数が0日以上10日以下
その条件を設定するため、以下のような数式を条件付き書式に入力します。今回は書式は黄色の塗りつぶしとしています。
=IF(AND($H4<>”完了”,AND($G4>=0,$G4<=10)),TRUE,FALSE)
数式 | 役割 |
---|---|
IF(…,TRUE,FALSE) | 条件に該当するものを「TRUE」として、指定した書式に変更する。それ以外のものは「FALSE」で書式を適用しない。 |
AND($H4<>”完了”,AND($G4>=0,$G4<=10)) | 「$H4<>”完了”」と「AND($G4>=0,$G4<=10)」を両方満たすことを条件とする。 |
$H4<>”完了” | セルH4「進捗」が「完了」ではない。「<>」はイコールではないことを意味します。 |
AND($G4>=0,$G4<=10) | セルG4「期限までの日数」の値は0以上かつ10以下 |
そうすると以下のように「完了」となっていない期限まで10日前のタスクが強調されます。
期限を過ぎたタスクを強調する方法
期限を過ぎたタスクを強調する方法は、前項で紹介した「期限まで〇日前のタスクを強調する方法」と同じです。今回は、期限を過ぎたタスクを赤色に塗りつぶすことにします。
期限を過ぎたタスクとは、具体的には以下の条件を満たすタスクです。
- H列の進捗が「完了」となっていない
- G列の期限までの日数が0日未満
=IF(AND($H4<>”完了”,$G4<0),TRUE,FALSE)
数式 | 役割 |
---|---|
IF(…,TRUE,FALSE) | 条件に該当するものを「TRUE」として、指定した書式に変更する。それ以外のものは「FALSE」で書式を適用しない。 |
AND($H4<>”完了”,$G4<0) | 「$H4<>”完了”」と「$G4<0」を両方満たすことを条件とする。 |
$H4<>”完了” | セルH4「進捗」が「完了」ではない。「<>」はイコールではないことを意味します。 |
$G4<0 | セルG4「期限までの日数」の値は0未満 |
そうすると以下のように期限が過ぎたにもかかわらず「完了」となっていないタスクを強調することができます。
「期限までの日数」の列はWBSを運用する上で必須のものではないため、非表示にしても問題ありません。ただし、列を削除してしまうと数式にエラーが発生するので、残しておくようにしましょう。
このようにWBSの表示を工夫することで、優先タスクを明らかにしたり、タスクの抜け漏れを防止したりすることができます。
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