Excelでは色々なグラフを作成できますが、中にはあまり使用をおすすめしないグラフ、設定、レイアウトなどがあります。この記事では、NGグラフの例を5つ、理由や対応策も併せてご紹介します。
3Dグラフ
1つ目は3Dグラフです。たとえば、このような店舗別売上のデータを3Dの縦棒グラフを使って表現してみます。

パッと見の見栄えは良いのですが、問題は奥行きがあることによって、東京店・大阪店の差が分かりづらいということです。

これではせっかくグラフにした意味が薄れてしまいます。そのため、シンプルな2Dグラフで誰が見ても差が判断できるようにする方が望ましいです。

このような2Dの集合縦棒であれば、東京店・大阪店の売上の大小が一見して識別することができます。

円グラフ
2つ目は円グラフです。絶対に使ってはいけないということではありませんが、こちらも3Dグラフと同じでデータの大きさが判断しづらいという欠点があります。たとえば、こちらの商品別売上を円グラフを使って表現します。

たとえば、美容液と洗顔料どちらの売上が大きいか目視で判断できるでしょうか。これだけ見ても曖昧な判断になってしまうと思います。

そのため、データラベルで補完する必要があります。

このように円グラフというのは見栄えはいいのですが、データの大小が判断しづらいです。そのため、このようなデータはシンプルに横棒グラフで表現する方が良いと思います。

棒グラフであれば、一見してデータの大小を識別することができます。さらに、元のデータを降順に並べ替えて、グラフの軸を反転すれば、よりわかりやすくなります。

項目の多い積み上げ棒グラフ
3つ目は項目数が多すぎる積み上げグラフです。たとえば、このような顧客別売上のデータを積み上げ棒グラフを使って表現します。横軸が年で各社の売上が積みあがるようにグラフを作成します。

見てわかる通り、項目数が多くてデータが非常に見づらいです。

このような積み上げ棒グラフの項目は多くても5個ぐらいまでにした方が良いです。そのため、売上がそこまで大きくない顧客はその他にまとめてしまいます。売上の大きい顧客のデータをコピーし、その下にその他の項目を作成します。

SUM関数で売上の小さい顧客のデータをまとめます。

こちらを基にグラフを作成します。項目数が少なくなり、すっきりとした見た目となりました。

色合いもあまりカラフルだと逆に見づらいので、モノクロに変更し、色の濃淡で違いを表現します。


基線がゼロから始まっていないグラフ
4つ目は基線がゼロから始まっていないグラフです。こちらのグラフは顧客別売上を棒グラフで表現したものです。一見すると各社の売上には大きな差があるように見えます。

しかしグラフの目盛りをよく見ると基線は200万円から始まっています。そのため、各グラフの差が大きく見えてしまうのです。

このように基線の大きさを変えて見せるのは、印象操作を行うテクニックでもあるのですが、誤解を与えてしまうリスクがあるので、あまり使用しない方が良いと思います。そのため、軸のオプションで最小値を0にして正確にデータを表現するようにしましょう。

これを見ると各社の売上にはそれほど大きな差がないということが分かります。

目盛りの異なるグラフ
5つ目は目盛りの違うデータを並べることです。こちらはアップル社とグレープ社の年別の売上を2つ並べたグラフです。グラフを見るとアップル社とグレープ社には売上の差があまりないように見えます。

しかし、軸を見るとアップル社の目盛りは最大値が350万円、グレープ社の目盛りは250万円となっています。これでは、正確に売上の大きさを比較することができません。

そのため、2つのグラフの目盛りを揃えるようにします。グレープ社の軸のオプションで最大値を3500に変更します。

これで2つのグラフの目盛りを揃えることができます。これを見るとグレープ社の売上はアップル社よりも全体的に低いということが分かります。

以上、NGグラフ例を5つ紹介しました。今回紹介した内容はExcelに限らず、どのようなツールでグラフを作成する場合においても共通する内容です。今回紹介した注意点を踏まえてわかりやすいグラフ作成に取り組んでみてください。
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