Excelでこのようなウォーターフォールチャートを作成する方法を紹介します。

ウォーターフォールチャートはその形から滝グラフとも呼ばれています。ウォーターフォールチャートでは、値の増減を視覚的に表現するのに役に立ちます。いくつか例を紹介しながら、作成方法を解説していきます。
営業利益の比較
まず、基本的なウォーターフォールチャートの作成方法です。ここでは、前期営業利益と当期営業利益の差分としてどのような増減があったのかを可視化したいと思います。

ここで注意が必要なのは、当期営業利益は、前期営業利益から各要素を加算・減算した結果となっていることです。この計算が整合していない場合、何らかの要素の抜け漏れがあるので、データを再確認してください。
表全体を選択し、グラフメニューからウォーターフォールを選択します。

そうすると、ウォーターフォールチャートが挿入されます。

しかし、当期営業利益は増加要素としてグラフに表現されているので、これを前期営業利益からの増減の結果として表現します。当期営業利益のグラフをダブルクリックして、データ要素の書式設定を開きます。

系列のオプションで「合計として設定」を選択します。

また、前期営業利益についても増加要素として青色のグラフになっているので、これも合計として設定します。ダブルクリックで書式設定を開き、系列のオプションで合計として設定を選択します。

これで正しくウォーターフォールチャートを表現することができました。

会員数の増減
次の例では、会員数の増減をウォーターフォールチャートで表します。この表では、2023年1月1日時点の会員数と2023年12月31日時点の会員数があり、その間に増減の要素が記載されています。

先ほどと同じように表全体を選択し、グラフからウォーターフォールを選択します。

2023年1月1日時点の会員数と2023年12月31日時点の会員数は、系列オプションで合計として設定します。

これで会員数の増減を正しく表現することができました。

損益計算書の構造
次の例では、損益計算書の項目について売上から営業利益、営業利益から経常利益、経常利益から税引前利益というように段階的に増減を表現したいと思います。

まず、表全体を選択し、グラフからウォーターフォールを選択します。次に合計として設定するグラフを選択していきます。まず営業利益は売上高から売上原価、販管費を引いたものなので、合計として設定します。

次に経常利益は営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を引いたものなので、合計として設定します。

次に税引き前利益については、経常利益に特別利益を加え、特別損失を引いたものなので、合計として設定します。

最後に当期純利益は税引き前利益から法人税等を引いたものなので、合計として設定します。

このようにウォーターフォールチャートでは、段階的に増減を表現することで、利益の構造をわかりやすく表現することができます。
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