【雑記】事故物件を取り扱う不動産ビジネス -株式会社あきんど、成仏不動産

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近年、孤独死や自殺者の増加により、事故物件が増加しているといいます。事故物件になると、物件がなかなか売れなくなり、不動産所有者にとっては大きな困りごとになっています。そんな中、事故物件を取り扱う企業が登場しています。本記事では、事故物件を取り扱う不動産ビジネスについて概観したいと思います。

増え続ける事故物件

東京都における「単身世帯で自宅で亡くなった65歳以上」の人数は年々増加しています。これらの中には自殺や事故等も含まれるため、全てが孤独死ではありませんが、傾向として孤独死の数が増えていると考えることができます。そして男性は女性の約2倍ほどの人数がいて、男性にとって顕著な問題になっていると考えられます。

東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kansatsu/kodokushitoukei/index.html

次に自殺者数を見てみると、全体の傾向としては減少傾向にありますが、コロナ禍により令和2年の自殺者数は21,081人となり、対前年比で912人(約4.5%)増加しています。こちらも男性は女性の約2倍ほどの自殺者がいます。今後もコロナ禍による仕事や生活の不安が増大すると自殺者数も増えていく可能性があります。

令和2年中における自殺の状況(厚生労働省自殺対策推進室)

上記のような孤独死、自殺者数の増加により、事故物件が増加することが考えられます。また、孤独死や自殺だけではなく、殺人により事故物件となることも考えられますが、数としてはそれほど多くはないでしょう。

事故物件を売る場合

事故物件になると、事故直後最初に入居した人との取引では、不動産の所有者は賃料や売却価格の値下げをせざるを得ません。一般的に、不動産の価格は相場の6割~7割程度に下がりますが、立地や死因、室内の状態によっても値下げの幅は変わります。孤独死は相場の8割~9割、自殺は7割~8割に下がり、殺人の場合は、半値を割り込む場合もあるそうです。

このような事故物件を取り扱う際に、宅地建物取引業者がとるべき対応についてまとめた「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン(案)」が国土交通省により発表されました。そこでは、業者は事故物件を売買、賃貸する際には以下のようなポイントに従い、告知を行うことが推奨されます(指針なので強制力はありません)。

「事故物件」告知に関する指針案のポイント

一、病気、老衰、転倒や食事中の誤嚥といった事故による死亡の告知は不要。死後、長期間発見されず特殊な清掃が行われた場合は告知する。
一、殺人や自殺、火災などによる死亡は告知を求める。賃貸物件は3年経過すれば不要とする。
一、対象は住宅で、居室のほかベランダ、廊下など日常的に使う共用部も含む。
一、隣接住戸や前面の道路などは指針案の対象外で検討を続ける。

不動産所有者や不動産業者にとっては、事故物件を高く売りたいという思いがあり、あまり事情を説明したくないと考えられます。一方で、借り手や買い手は、きちんと事情を説明してほしいと思いますし、安い値段で物件を賃貸、購入したいと考えます。なので、事故物件の取引は非常に難しいのです。

事故物件を取り扱う不動産業者

そのような事故物件の取引を円滑に進めるための事業を行っている企業が存在します。

事故物件買取センター 「株式会社あきんど」

事故物件・訳あり物件買取・売却 東京/大阪/名古屋/福岡/神奈川/埼玉/千葉【あきんど】
事故物件・訳あり物件の売却をお考えなら、...

事故物件買取センターあきんどでは、全国の事故物件を買い取る事業を行っており、累計で950件以上の買取実績があります。一度事故物件となると、どこの不動産会社からも取り扱いを避けられる、売れないといった事情があり、そのような不動産所有者を助けるために買取事業を始めたそうです。

買い取り対象の物件は以下のような物件です。自殺、殺人、孤独死に関する物件だけではなく、様々なトラブルにより、売りにくくなった不動産の買取を行っています。

  • 自殺物件
  • 殺人物件
  • 孤独死
  • 事故死・火災
  • 雨漏り・シロアリ被害物件
  • 隣住民トラブル・紛争物件
  • 傾き物件
  • ゴミ屋敷
  • 再建築不可物件
  • 狭小地・建蔽率容積率
  • 立ち退き物件
  • 長屋・連棟物件

不動産所有者にとっては、買い手がなく困っていた物件を安心して売ることができます。物件が一度事故物件になってしまうと価値が下がり、なかなか借り手や買い手を見つけることは難しいです。このような仲介業者がいれば、もう一度物件を市場に戻し、適正な価格での取引を実現することができます

事故物件専門サイト「成仏不動産」

成仏不動産
「事故物件」を専門に取り扱う、不動産掲載サイトです。
https://jobutsu.jp/

成仏不動産は事故物件を専門に取り扱うサイトで、株式会社MARKSが運営を行っています。

下図のようなイメージで賃貸物件、販売物件が掲載されています。告知内容として以下のような事情が明示的に示されています。一般的な不動産サイトが事故物件について「告示事項あり」としているところ、きちんと情報をオープンしています。

  • ★1お墓や火葬場、葬儀場などが見える物件
  • ★2共用部分や他の部屋などで事件、事故があった物件
  • ★3発見まで72時間未満の孤独死、病死物件
  • ★4発見まで72時間以上の孤独死物件
  • ★5火事や事故で人が亡くなった物件
  • ★6自殺物件
  • ★7殺人物件

運営会社の花原社長は以下のような事故物件に関する課題を解決するため、事故物件を専門に取り扱う事業を始めたそうです。事故物件に抵抗のない人も多く、賃貸・購入する人や不動産所有者で掲載希望を上げる人も多数いるようです。

  1. 増える事故物件を「流通させる仕組み」
  2. 「取引の正常化」
  3. 事故物件の「イメージアップ」
  4. 価値を正しく評価する「実績」の収集

このように事故物件でも、どういった事情があったのか明示されていれば、借り手の心理的な不安も解消されることが期待できますし、入居後のトラブルを防ぐことが期待できます。事故物件の取引には、取引を行うまで時間がかかったり、入居後のトラブルが生じたりと、取引コストが非常に多くかかっています。このような透明性の高い不動産サイトがあれば、事故物件であっても適正な価格で取引コストを最小化し、取引することができます。

まとめ

上述の通り、今後孤独死、自殺による事故物件の件数は増加することが考えられます。また、貧困層が増え、より安く物件を借りたいという人も多くなり、事故物件の需要は今後伸びていくと思います。そのような状況下で、あきんど、成仏不動産の取り組みのように透明性高く事故物件の取引を行うことができれば、不動産所有者、借り手双方にとってメリットがあると思います。事故物件ビジネスはまだまだ浸透していませんが、今後進出する企業が増えてくることが予想されます。

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