日本生命、銀行への出向者による情報の不正取得

「悪意はなかった」が通用しない時代。なぜ、あの企業は炎上したのか?

SNSが普及して十数年が経過しましたが、企業の炎上は一向になくなりません。中小企業から大手企業、公的機関に至るまで、些細な発言や行動が火種となり、瞬時に信頼とブランドを失うリスクが日常となっています。

本書は、この「なくならない企業の炎上」の根本原因を徹底的に分析し、現代企業が生き残るために必須の危機管理戦略をご提供します。

  1. 炎上の構造と真の原因
  2. 30の最新事例からの具体的な教訓
  3. 炎上を防ぎ、沈静化させる組織戦略
目次

概要

2025年7月16日、日本生命は銀行への出向者による銀行の内部情報の持ち出しがあったことを公表。調査の結果以下の事実関係が判明した。

2019年5月から2025年2月にかけ、日本生命から銀行への出向者が、銀行の生命保険販売推進や業績評価体系などに関する内部情報を、上司の許可を得ずに私用スマートフォンや郵送で持ち出した。持ち出された情報は同社の銀行本部窓口担当者と共有されていた。

窓口担当者は受け取った内部情報(画像データ等)を加工・転記、またはそのままの画像に「逆流厳禁」の文言を付すなどして資料を作成し、所属部門の役職員等に広く共有していた。

出向者は、情報提供によって同社社員が「銀行が目指す方針」や「行員に求められるスキル」などを理解し、より一層寄り添った販売支援・サポートが行えるようになると認識していた。出向者の根底には、銀行からの貴社への評価向上、銀行の窓販業績の拡大、ひいては貴社の窓販業績の拡大、および自身の定性的な評価への期待があった。

公表された原因

  • 銀行に対する販売支援の質の向上を目指す中で、銀行の情報収集を重視した結果、出向者と銀行本部窓口担当者の双方が自らの定性評価に繋がることを期待し、不適切な手段と認識しながらも、容易に取得できる出向者からの情報に依存してしまった。
  • 組織の第1.5線※・第2線において、出向者による不適切な情報提供のリスクに対する想像力を欠いたことで、不正競争防止法などの関連法令の教育・指導や早期検知ができなかった。
    ※「第 3 線(スリーライン)ディフェンス」(金融機関の内部統制とリスク管理を、①事業部門(第 1 線)、 ②コンプライアンス・リスク管理部門(第 2 線)、③内部監査部門(第 3 線)の 3 つの役割に分類し、それぞれに 責任と機能を分担させる考え方)における、①事業部門(第 1 線)内のコンプライアンス・リスク管理機能。

影響

  • 以下の情報を不正取得
    • 対象代理店数:7代理店
    • 件数:604件
    • 情報の内容:銀行等の保険販売に係る業績や執行方針、行員の業績評価基準、他の生命保険会社の商品情報
  • 金融庁から、保険業法 第 128 条第 1 項に基づく報告徴求命令を受領

対応

営業部門への出向は行わないようにするとともに、銀行等からの情報収集に関する取扱ルール を策定・徹底することを表明。

具体的な再発防止策を以下の通り策定。

  1. 出向制度の見直し
  2. 代理店からの情報取得・取扱ルールの整備・徹底
  3. 第 1.5 線機能の取組強化
  4. 第 2 線組織による第 1 線・第 1.5 線組織への関与や牽制の強化
  5. 第 3 線機能の強化
  6. 再発防止策の徹底に向けた委員会の設立
  7. コンプライアンス意識の醸成

URL

https://www.nissay.co.jp/news/2025/pdf/20250716.pdf

https://www.nissay.co.jp/news/2025/pdf/20250718.pdf

https://www.nissay.co.jp/news/2025/pdf/20250912.pdf

「悪意はなかった」が通用しない時代。なぜ、あの企業は炎上したのか?

SNSが普及して十数年が経過しましたが、企業の炎上は一向になくなりません。中小企業から大手企業、公的機関に至るまで、些細な発言や行動が火種となり、瞬時に信頼とブランドを失うリスクが日常となっています。

本書は、この「なくならない企業の炎上」の根本原因を徹底的に分析し、現代企業が生き残るために必須の危機管理戦略をご提供します。

  1. 炎上の構造と真の原因
  2. 30の最新事例からの具体的な教訓
  3. 炎上を防ぎ、沈静化させる組織戦略
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Junyaと申します。本ブログではExcelなどビジネススキルを発信しています。
Youtubeで動画投稿もしていますので、是非フォローお願いします。

コメント

コメントする

目次