Excelのフィルター機能は、データを絞り込んだり、並べ替えたりするのに非常に便利な機能です。しかし、正しく使用しないとフィルターが機能せず、データの抜け漏れ・重複が発生してしまうことがあります。
本記事では、フィルターが機能しないケースを3つ紹介し、それぞれの状況でチェックすべきポイントを紹介します。
表にあるはずのデータが表示されない
最初のケースは「表にあるはずのデータが表示されない」という問題です。
たとえば、以下の表の「部署」の列では「営業第五部」という項目が含まれているはずなのに、フィルターでは「営業第五部」のデータが表示されていません。

この原因を調べるため、「データ」⇒「並べ替えとフィルター」⇒「詳細設定」を選択します。

そうするとフィルターが適用される範囲に「営業第五部」のデータが含まれていないことがわかります。その原因としては、21行目に空白があり、範囲が正しく選択されていないことです。

これを防ぐためには、きちんと表の開始から終了までの行・列を選択した上でフィルター機能を使用することです。表全体を選択し、「Ctrl + Shift + L」でフィルター機能を適用することができます。

そうすると、空白行も含んだ範囲までフィルターが適用されます。

「営業第五部」というデータも含まれていることが確認できます。

データが重複している
次にフィルターで表示されるデータが重複しているという問題です。これは、表記の違いが原因です。
以下ではよくある表記のブレについて紹介します。
文字列にスペース(空白)が含まれている
たとえば、以下の表では、「部署」という列の中で「営業第三部」というデータが重複しています。

この原因は1つのデータで「営業第三部 」というように文字の後にスペース(空白)が入っていることです。

このような空白は目視では検知することが難しいため、放置されてしまうことが多いです。
全角・半角が異なる
たとえば、以下の表では「入社年次」という列で「2024年」というデータが重複しています。

これは目視でも検知しやすいですが、「2024年」の「0」が全角になっていることが原因です。

このようにフィルター機能では、全角と半角が区別されるので、表記を合わせることが必要になります。
似たような文字・記号
たとえば、以下の表では「担当商品」「商品A」という列で「○」というデータが重複しています。

この原因は記号の「○」と漢数字の「○」が混ざってしまっていることです。

その他、以下のような文字については表記ゆれが起こりやすいです。
- マイナス(-)とハイフン(‐)
- ゼロ(0)とアルファベットのオー(O)
- バツ(✕)とかける(×)
上記のような表記のブレを防ぐため、「データ」⇒「データの入力規則」から、あらかじめ表記を設定しておくことをおすすめします。


データが正しく絞り込まれない
以下の表のセルJ12~K12のようにデータがセル結合されていると正しくデータが絞り込まれない場合があります。

この状態で、「商品D」列の「〇」で絞り込んでみます。

そうすると、先ほどのセルの結合がされていた12行目が隠されてしまいます。これでは、正しい結果が表示されているとは言えません。

このような事態を防ぐため、フィルターに用いるデータにはセル結合を使用せず、1セルに1データを入力するようにしましょう。

もしフィルターが正しく機能しない場合は、上記のような観点でチェックしてみてください。
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