【おすすめ書籍/書評】外資系コンサルのスライド作成術 | わかりやすい視覚化のテクニックが身につく!

日本のビジネスシーンでは、何かを決定したり、承認をもらったりする会議でPowerPointなどで作成されたスライドを活用する機会が非常に多いです。わかりやすいスライドというのは、聞き手の理解を促し、効率的に意思決定を実現することができます。

目次

本書の概要

ビジネスにおいては、PowerPoint等で作成されたスライドは非常に重要なものとして位置づけられています。企画会議、経営会議において意思決定を行うための資料として活用されたり、資料そのものが成果として決算説明資料、中期経営計画等として公開されることもあります。

しかしながら、何でもかんでもスライドに起こせばよいというものではなく、わかりやすいスライドには一定のルールというものがあります。特にスライドには、数値や文字情報を図解し、伝えるという機能がありますが、わかりやすくずかいできれば効果的に意思決定を促すことができます。一方で、その図解がわかりにくいと、相手に誤解を与えたり、不安を生じさせるリスクもあります。

本書では、基本的なスライドの作成方法、図解のポイント、シンプルなスライドにするための方法を実例を通じて学ぶことができます。練習問題もあるため、実際に手を動かしながら学習することをおすすめします。

本書を通じて学べる事

スライドの構成要素

スライド作成においては、情報をとにかく詰め込めばよいのではなく、どの国、どの企業においても基本的な要素があります。スライドの基本的な構成要素は以下の6つです。

  1. メッセージ
  2. グラフ/チャート・表のタイトル
  3. グラフ/チャート・表
  4. 脚注
  5. 出所
  6. ページ番号

1つのスライドには1つのメッセージを記載し、それに合わせてグラフ/チャートを作成していく必要があります。大切なことはメッセージを第一に記載するということです。そのスライドで「何を言いたいか」が明確にしなければ、無駄なスライドが増えてしまうことになります。

本書では、各要素において書く内容、順番を実例を通じて学ぶことができます。

メッセージに応じたグラフパターン

スライドでは、Excelで集計したデータなどをわかりやすく可視化するためグラフを使用することが多いです。グラフには、実数値、構成比、指数値のいずれかを用います。

データ定義
実数値実際に観測された生の数値ある商品の売上高が100万円だった場合、この「100万円」という数値
構成比全体に対する部分の割合全体の売上高が1,000万円で、そのうちある商品の売上高が100万円だった場合、その商品の構成比は10%
指数値基準となる値を100として、他の値を相対的に表した数値ある年の物価指数が105だった場合、基準となる年の物価と比べて5%上昇したことを意味する

それぞれのデータには適したグラフの種類があります。伝えたいメッセージによっては複数のグラフを組み合わせることも効果的です。

本書では、伝えたいメッセージに応じてどのようなグラフを用いれば良いか様々なパターンが紹介されています。このようなグラフ作成パターンの引き出しを持っていることで、作成するスライドの目的に応じて適切なグラフを即座に選択できるようになります。

視覚化のテクニック

スライドには、文字や言葉で表現された概念や構造を視覚的にわかりやすくする機能があります。このような概念や構造を表す場合も一から自分で考えるのではなく、ある程度決まったフォーマットを活用することが効果的です。本書では、以下のような様々な視覚化のパターンを実際の作例を用いて解説しています。

  • 数量と時間
  • 組織階層
  • プロセス
  • ローテーション
  • 個別連環
  • 相互連環

視覚化においては、人間にとって見やすいレイアウトを意識することが大切です。たとえば、人間の視覚は「左から右」「上から下」というように遷移します。スライドに載せる要素もそれに合わせて配置することで見やすくなります。

わかりやすいスライドにするためには、不必要なオリジナリティは捨てて、視覚化のパターンに従って作成することが重要であることがわかります。

まとめ

スライドは意思決定や、それ自体が成果として活用されるため、スライド作成のできる人は高く評価されます。一方でスライド作成は基本的なパターンを覚えれば、品質を一気に高めることができます。つまり、効率的に他者と差別化するにはスライド作成スキルを磨くことが効果的です。

よりわかりやすいスライドを作りたい、スライド作成で評価されたいという方は、是非本書を手に取ってみてください。

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この記事を書いた人

Junyaと申します。都内のコンサルティングファームで働いております。まだまだ若輩者ですが、私の得た経験や感じたことを本ブログで紹介できればと思います。
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