ビジネスにおいては日々、直面する問題を解決することが求められます。しかし、多くの人は解決策を見つけることに終始し、問題を見極めるということを軽視しがちです。本書では、真に解決すべきイシューを明らかにし、問題に取り組む方法を学ぶことができます。
本書の概要
生産性を上げるためには、同じ労力・時間でより多くのアウトプットを生み出すことが必要になります。そしてそのアウトプットの価値は、「イシュー度」と「解の質」によって決まると説きます。
- イシュー度:自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
- 解の質:そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い
「解の質」に関しては多くの人がその重要性を認識している一方で、「イシュー度」に関してはあまり注目されていません。本書を通じて、真に価値のある成果を生み出すためには、まず「イシュー」を見極めることが重要であることを理解することができます。
大切なことは、労働時間や労働量を増やしてアウトプットを増やすのではなく、真に解決すべき問題に限られたリソースを投下し、価値のあるアウトプットを生み出すことです。本書では、この価値あるアウトプットを生み出すための「イシュー」の見極め方、それを解決するための具体的な方法を学ぶことができます。
本書を通じて学べる事
真に重要な問題(イシュー)を見極める力
世の中には様々な問題がありますが、問題に対してすぐに解決策を考えるのではなく、真に解決すべき問題「イシュー」を見極めることが必要です。
良いイシューとは、以下の3つの特徴があります。
- 本質的な選択肢である:答えが出ると、そこから先の方向性に大きく影響を与える
- 深い仮説がある:「常識を覆すような洞察」がある。また、「新しい構造」で世の中を説明している
- 答えを出せる:現在の自分の技術・状況で答えを出すことができる
本書では、良いイシューを導き出すための様々なアプローチが紹介されています。イシューを特定するための情報収集、フレームワークの活用などのテクニックを学ぶことができます。
仮説思考・アウトプット思考
イシューを解決するためには、きちんと仮説(仮の答え)を出すことが重要になります。仮説を立てておくことで、どのような情報収集、分析が必要か明確になるからです。また、仮説をベースに最終的に何を言いたいのかメッセージとそれを伝えるためのストーリーを明確にすることができます。
さらに、分析のイメージを絵にしたアウトプットを意識することも重要です。どのようなグラフ、図を用いてメッセージを伝えるかが明確になれば、必要な情報、分析方法も明らかになります。
本書では、「仮説思考」と「アウトプット思考」を実践するための具体的な方法を学ぶことができます。
メッセージの磨き方
最終的なアウトプットの目的は、受け手がきちんと問題を理解し、納得・共感してもらうことです。そのためには以下のような状態を達成する必要があります。
- 意味のある課題を扱ってもらうことを理解してもらう
- 最終的なメッセージを理解してもらう
- メッセージに納得して、行動に移してもらう
そのためには、ストーリーラインを磨きこみ、一つ一つのアウトプット(資料など)の質を高めていくことが重要です。ポイントは、本当に解決すべき問題に焦点が当てられ、それがシンプルに表現されているかということです。
本書では、最終的なアウトプットを仕上げる上でのチェックのプロセス、注意点を学ぶことができます。
まとめ
仕事で成果を出すためには努力や根性が重要と考える方もいるかと思いますが、それだけでは非効率的ですし、価値の高い成果を生み出すことはできないかもしれません。あらゆる問題、あらゆる解決策を模索するのではなく、真に解決すべき問題「イシュー」に着目することで、最小限の労力で最大の成果を生み出すことができます。
仕事の生産性を上げたい方、問題解決力を身につけたい方は、是非本書を手に取ってみてください。
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