京都・車折神社、AI生成イラストをアイコンに使用し、批判殺到

2025年10月19日2025年11月24日

「悪意はなかった」が通用しない時代。なぜ、あの企業は炎上したのか？

SNSが普及して十数年が経過しましたが、企業の炎上は一向になくなりません。中小企業から大手企業、公的機関に至るまで、些細な発言や行動が火種となり、瞬時に信頼とブランドを失うリスクが日常となっています。

本書は、この「なくならない企業の炎上」の根本原因を徹底的に分析し、現代企業が生き残るために必須の危機管理戦略をご提供します。

炎上の構造と真の原因
30の最新事例からの具体的な教訓
炎上を防ぎ、沈静化させる組織戦略

概要

芸能、芸術、技芸などの信仰を集める京都の車折神社は、2025年3月に公式X（旧Twitter）で、生成AIで作られた巫女のイラストを新しいアイコン画像として公開した。「芸能の神様を祀る神社として不適切だ」「人間の手による創作物を尊重していない」といった批判が寄せられた。

批判を受け、車折神社は以下のように説明し、3月22日に公式Xアカウントを削除し、今後SNS運用を行わないと表明した。

生成AIにより仕事を奪われるのでは？著作権を侵害されるのでは？という方や、時としてその画像をセンシティブなものと受け取られた方のお気持ちやご不安、深く理解出来ました。

アカウント削除後も批判は止まらず、「お前のクソ神社いつか原因不明の火事で全焼するぞ」などのメールを送信した男が威力業務妨害の疑いで逮捕された。

原因仮説

神社の権威と信仰対象としての役割とのミスマッチ

車折神社は芸能、芸術、技芸などの信仰を集める神社であり、人間の手による「創作」や「努力」を神聖視する存在として認識されている。その神社が、著作権問題や人間の仕事を代替する可能性を指摘されている生成AIの画像を「神社の顔」であるアイコンに採用した。これは、神社の根幹的な人の営みとしての芸術を否定する行為と受け取られ、強い反発を招いたものと考えられる。

「SNS運用中止」の不適切な対応

神社側は謝罪文で、「不安、深く理解出来ました」と一定の理解を示しつつも、問題の解決策として「公式Xアカウントの削除」と「今後のSNS運用を行わない」という極端な決定を下した。この対応は、「批判に真摯に向き合い、アイコンを差し替える」のではなく、「批判から逃げた」という感情的な逃避と受け取られた可能性がある。