福岡ダイハツ販売、下請業者に代車を無償で提供させた行為が下請法に違反

概要

2025年11月27日、公正取引委員会は福岡ダイハツ販売に対して、下請代金支払遅延等防止法（下請法）第４条第２項第３号（不当な経済上の利益の提供要請の禁止）に掲げる行為に該当するとして勧告を行った。

同社は、顧客から請け負う自動車の板金塗装等の修理業務を下請事業者24名に委託していた。遅くとも2024年8月から2025年4月までの間、同社が請け負う修理顧客への代車として、下請事業者24名に対し、合計76台の自動車を無償で提供させた。

この無償提供行為は、下請事業者の利益を不当に害していた（下請法違反に該当する可能性）と判断された。下請事業者が被った不利益の総額は17,395,598円で、代車のリース料金、任意保険料、税金、償却費、車検費用、その他維持管理費の合計額である。

同社は、2025年9月25日までに、この不利益の額を全額支払っている。

原因仮説

構造的な力の差とコスト転嫁

下請事業者が取引の維持のために不利益な要請（代車の無償提供）を拒否しにくい状況ができていたものと考えられる。この状況を利用し、本来福岡ダイハツ販売が負担すべき代車提供コストを下請業者に無償で負担させた。

コンプライアンス体制の不備

担当者および管理職が、下請業者に無償で代車を提供させる行為が下請法に違反する行為であるという法規制の認識が不足していたか、あるいはその重要性を軽視していた可能性がある。また、業務プロセスの設計・運用において、下請事業者への不利益の有無を監査・確認する仕組みがなかったと考えられる。

影響

下請業者に合計17,395,598円の代車提供コストが発生した。

対応

全従業員に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じ、コンプライアンスの一層の強化と再発防止に努めることを表明。

URL

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/nov/251127_kyuusyuu_shitauke.html

https://fukuoka.dd.daihatsu.co.jp/Information/kouseiotirhikikannkoku