【おすすめ書籍/書評】THE MODEL | Salesforce社の顧客獲得・維持のプロセスがわかる!

本書では、Salesforce社で実践されているBtoBのマーケティング、営業活動のプロセスを整理しています。営業やマーケティングの担当者だけでなく、すべてのビジネスパーソンが新しい営業体制を理解する上で有益な書籍です。

目次

本書の概要

従来の営業は、リード獲得からクロージング、アフターサポートまで1人の担当者がすべてを行うことが一般的でした。しかし、この方法では業務が属人化し、非効率になることもあります。

それに対して本書では、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4つの部門による分業体制による営業活動を紹介します。各部門の役割、責任、KPIを明確にした上で、専門性を活かして役割分担することで、効率的かつ効果的な営業を行うことができます。

このTHE MODEL型の営業体制が注目されるようになった背景には以下の2点があります。

  1. 購入検討の主導権が売る側から買う側に移った
  2. SaaS企業やサブスクリプション型サービスなど顧客との関係が継続するビジネスが増えた

本書を通じて、BtoBビジネス、SaaSビジネスを行っている企業は営業プロセスの改善、営業効率の改善、売上増大などの効果を期待することができます。

本書を通じて学べる事

営業活動の分業化と専門化

従来の営業のように、一人の担当者がすべての業務を行うのではなく、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4つの部門に分け、それぞれの専門性を高めることで、より効率的かつ効果的な営業活動を実現する方法を学べます。

また、各部門のKPIを「母数」「成功率」「ゴール」と定め、次の部門の母数をゴールとすることで、どの部門のどのプロセスでビジネスが停滞しているかを明らかにすることができます。

スクロールできます
部門マーケティングインサイドセールスフィールドセールスカスタマーサクセス
母数来訪者数見込客数案件数受注数
成功率×獲得率×案件化率×受注率×更新率
ゴール=見込客数=案件数=受注件数=継続数

このようにKPIを明確にすることによって、課題となっている部門・プロセスに対して効果的に改善策を打ちやすくなります。

データ活用と部門間連携の強化

本書では、情報共有ツールやCRMなどを活用した部門間の連携の重要性、具体的な方法を学ぶことができます。近年では、MA(Marketing Automation)、SFA(Sales Force Automation)などのITツールを活用した営業活動が一般的になってきましたが、収集したデータを十分に活用できていない場合もあると思います。

本書では、顧客への対応品質を高めるため、営業活動を通じて得たデータをどのように分析、スコアリングするかを具体的な事例と共に紹介しています。ツールを活用しながら、各部門が連携し、顧客情報を共有することで、顧客一人ひとりに最適な提案やサポートを提供できるようになります。

THE MODEL型の組織づくり

上記のプロセス論に加えて、THE MODELでは、組織全体の成長と発展を促すための方法を紹介しています。そこでは、多様な価値観を持つ社員の力を結集させるための、ビジョン・ミッション・バリューの重要性を説いています。

  • ビジョン:目標とする場所
  • ミッション:なぜそこへ行こうとするのか
  • バリュー:価値基準

全社員が共通の目標に向かって努力することで、組織の一体感を醸成し、高いパフォーマンスを発揮できる組織文化を築くことができます。その上で、ビジョン・ミッション・バリューにおいて重要なことは、これらの信念と市場へのメッセージ、日常の言動が一貫していることが必要です。

まとめ

本書を通じで、SaaSビジネスにおける効率的な営業体制、組織づくりのポイントを学ぶことができます。一方で、企業規模や組織体制、文化に応じて改善していくことが求められます。

THEモデル型の組織づくりを検討されている方や自信が営業として活動されている方は、非常に参考になる一冊なので、是非本書を手に取ってみてください。

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この記事を書いた人

Junyaと申します。都内のコンサルティングファームで働いております。まだまだ若輩者ですが、私の得た経験や感じたことを本ブログで紹介できればと思います。
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