雑談が苦手、何を話してよいかわからないという人も多いのではないでしょうか。「雑談」を世間話や無駄話と考えている人も多いですが、「雑談」は目的意識を持つことで強力な武器になります。
本書の概要
多くの人は「雑談」を天気の話、話題、業界のうわさなどとりとめのない会話をすることが多いと思います。一方で、グーグル流の雑談では、オープンで「ざっくばらん」な情報交換をすることが目的です。具体的には次のような意図を持って行われます。
- 状況を「確認する」
- 情報を「伝える」
- 情報を「得る」
- 信用を「作る」
- 意思を「決める」
雑談は単なる無駄話と捉えるのではなく、「雑談」を武器として、仕事のパフォーマンスを上げ、成果を上げることを意識することが大切です。
本書では、雑談を社内や社外の人間関係の構築に活かし、仕事で成果を出すための考え方や実践方法が紹介されています。
本書を通じて学べる事
社内コミュニケーション
多くの人はまず社内で雑談を行う機会が多いと思います。社内における雑談は互いの信頼感を高める、働きやすい環境が生まれるといった効果が期待できます。逆に雑談がない職場は人間関係の悪化を招きやすいです。
職場の雑談においてもきちんと目的意識を持って行うことが重要です。マネージャー(上司)であれば、部下の置かれている状況をしっかりと確認して、日ごろの雑談を通じて明確なメッセージを発信することが必要です。部下がどのようなモチベーションで仕事に向き合っているのか、サポートが必要かといったことを雑談を通じて把握します。また、何に興味・関心を持っているか、将来の目標などキャリアに関することも雑談を通じてアドバイスを行います。
逆にメンバーであれば、雑談を通じて上司から有益な情報を得ておくことで仕事を効果的に進めることができます。
- 上司の立ち位置の確認
- 部下に対する評価の基準
- リスク管理に関する視点
また、部下は雑談を通じて自分自身の状況を報告することで、上司は安心して仕事を任せることができます。
このように社内の雑談においても目的意識を持って行うことで、働きやすい環境を生み出し、結果的に仕事のパフォーマンスを向上させることにつながります。
社外コミュニケーション
顧客など社外のビジネスの相手との雑談では、最初に確認作業を行うことが重要です。これは事前に相手が商談などの重要な話をするための準備ができているか確認することが目的です。
- 相手の状況の確認
- ビジネス状況の確認
- 新たに必要となる情報の確認
また、雑談には確認だけでなく次のような目的があります。
- つながる:相手との距離を縮めて信用を作る
- 調べる:最新の動向や現状に関する情報を収集する
- 伝える:自社の意向や進捗状況などを報告する
- 共有する:最新の情報を相互に確認する
このような明確な目的意識を持って雑談を行うことで、相手との良好な関係をつくり上げ、有益な情報を得たり、ライフタイムバリューの向上させたりする効果が期待できます。
NGな雑談
雑談を行う上では、相手が不安になったり、嫌悪感を抱いたりするような話題は避けるべきです。どのような話題を避けるべきかは、その時の状況や人間関係によって異なりますが、本書では6つのポイントを紹介しています。
- 相手のプライベートに、いきなり踏み込まない
- 「ファクト」ベースの質問は意外に危険
- ビジネスの場で「収入」の話はしない
- 「シチュエーション」を考えた雑談を心がける
- 「宗教」の話は無理に避ける必要はない
- 「下ネタ」で距離感が縮まることはない
上記以外にも人によってはNGとなる話題も存在します。大切なことは自分と相手との人間関係、相手の置かれている状況を正確に理解し、現在または将来的に不快感・嫌悪感を与えることがないかを考慮することです。
まとめ
雑談も単なる世間話や無駄話ではなく、目的意識を持って行うことで、人間関係を良好にし、ビジネスのパフォーマンスを向上させることにつながります。逆に目的があれば、雑談が苦手という人も何を話せばよいのかが明確になるのではないでしょうか。
雑談が苦手、同僚や顧客と何を話してよいかわからないという方は、是非本書を手に取ってみてください。
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