日本のビジネスシーンでは、Excelを活用してコミュニケーションを取ることも多いです。その際、いかに内容が正しくてもExcel表自体が見づらいと、相手の理解を阻害する可能性があります。本書では、グローバルに通じる美しいExcel表の作成方法を学ぶことができます。
本書の概要
日本のビジネスシーンではExcelを使用する機会が多いですが、ほとんどの人が自己流で表を作成しているのではないでしょうか。PowerPointなどはテンプレートや作成ルールなどが用意されている企業も多いですが、Excelは意外とそのようなテンプレート・ルールがないことが多いです。
本書では、第1部「基礎編」においてフォントや色、罫線の使い方など、グローバルに通用する見やすいExcel表を作成するための方法を学ぶことができます。見づらい表との対比で、何が良くないのか、何が違うのかを理解しながら学習することができます。
第2部「モデル編」においては、外資系金融マンの必須スキル「財務モデル」の作り方が紹介されています。簡単なモデルを組みながら、財務シミュレーションに関する理解を深めることができます。
本書を通じて学べる事
見やすい表を作るための原則
Excel表はテンプレートやルールが定められていることが少なく、自己流で作成している方が多いのではないでしょうか。しかし、Excelにも見やすくするための原則というものが2つあります。
- 情報の並べ方が人間の認知の仕組みに従っている。
- 情報が必要最低限である。
情報も適当に並べるのではなく、「時間は左から右に」「論理は上から下に」流れるといった人間の認知の仕組みに従って並べることで見やすくなります。また、表の罫線もタテの罫線をなくすことで、情報量を減らし、見やすくなります。
普段何気なく使用しているフォントの種類、色、罫線などにおいても見やすくなるためのルールがあります。少しの意識でExcelの見やすさが大きく変わります。
Excelの作業スピードを向上させるテクニック
日本のビジネスシーンでは、Excelを使用する機会が多く、できる限り作業を効率化させることで、業務負担を減らすことにつながります。Excelの作業を早くするには以下の方法があります。
- ショートカットを覚える
- 様々な機能を覚える
- 関数を使う
ショートカットやExcelの機能を活用することは作業時間を大きく減らすことにつながります。日々の業務の中で、実践することで身体で覚えることができます。Excelの大抵のコマンドにはショートカットが用意されているので、面倒な作業があれば対応するショートカットがないかどうかを調べ、ショートカットの引き出しを増やすことが重要です。
財務モデルの作成方法
経営企画や新規事業の担当者の方であれば、Excelで事業企画を作らなければいけない状況があるかと思います。しかし、何から着手してよいかわからない場合もあるかと思います。財務モデル作成も自己流で進めるのではなく、一般的なステップに従うことが重要です。
- 財務三表を連動させ、実績値が整合しているか確認する
- 実績値から重要業績評価指標を求め、経営分析をする
- KPIを前提条件として将来財務諸表を作成する
仕事で財務モデルを作成する機会がない人も、財務モデル作成を通じて自社や他業界のビジネスモデル、コスト構造を理解することにつながります。また、会計に関する理解を深めることができるので、自身の知識の幅を広げたい方は是非取り組んでみてください。
まとめ
他の人に説明するためのExcelを作成する際は、自己流ではなく一定のルールに従って作成する必要があります。逆に言えば、本書で紹介されているルールに忠実に従えば、誰にとってもわかりやすいExcel表を作成することができます。
Excelがわかりにくいと言われた、Excelの作業スピードをもっと早めたいと考えている方は、是非本書を手に取ってみてください。
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