頑張っているのに仕事が上手くいかない、上司に評価されないという人は「説明力」が足りない場合があります。本書では頑張りすぎずに上手な「説明力」を身につけるための方法を学ぶことができます。
本書の概要
高い説明力を持っている人は以下のような5つの脱力を実践しています。
- クリエーティブに考えない
- ゼロから作らない
- 難しいテクニックは使わない
- オリジナリティーある資料は作らない
- 情報収集の網は広げない
脱力とは「頑張らずに力を抜くこと」を指しますが、一見良くないように思えます。しかし、あえてクリエーティビティーやオリジナリティーを捨てて、定番のテンプレートやフレームワークを活用することで、誰にとっても分かりやすい説明を行うことができます。
本書では、ビジネスの実例を通じて脱力する説明方法を学ぶことができます。
本書を通じて学べる事
フレームワークを活用する
相手に何かを説明する際は、フレームワークを活用することが効果的です。一方で、難しいフレームワークやあまり使われないフレームワークを用いてしまうと、相手の理解を妨げる可能性があります。そのため、フレームワークを活用する際もシンプルで誰もが知っているものを活用することが大切です。本書では、「ロジックツリー」と「SWOT分析」の活用方法を紹介しています。
- ロジックツリー:問題を要素分解し、その原因や解決策を構造的に整理するためのツール
- SWOT分析:組織や個人の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を分析し、現状を把握するためのフレームワーク
ロジックツリーに関しては、適切な切り口で物事を整理することで、検討の漏れや重複を防ぐことができます。また、SWOT分析は他のフレームワークと組み合わせることで、より詳細な分析を行うことができます。いずれもビジネスにおいて使用頻度の高いフレームワークなので、使いこなせるようになっていることが望ましいです。
プレゼンの「鉄板の構成」を活用する
プレゼンテーションを行う際、相手を理解・納得させる構成で資料を作成する必要があります。この構成も一から自分で考えるのではなく「鉄板の構成」を使用することが効率的かつ効果的です。以下のような構成が社内への説明、顧客への提案にも応用することができます。
- プレゼンの目的、背景
- 全体の中での、今回のプレゼンテーマ(プレゼン対象)の位置づけ
- 今回のプレゼンテーマ(プレゼン対象)によって実現できること
- 具体的な説明内容
- 今後のスケジュール
- 今後の取り組み予定
- 聞き手への依頼や相談事項
「鉄板の構成」を前提として、プレゼンの相手の興味・関心に応じて内容を変更していきます。「鉄板の構成」を用いることで情報の抜け漏れを防ぐと同時に、相手の理解しやすい流れで説明することができます。
フォーマットを活用する
どのような資料でも一から作成するのではなく、事前に用意されたフォーマットを用いることで作業時間を短縮することができます。また、資料を読む人にとっても使い慣れたフォーマットであれば、読みやすくなります。本書では、「議事録」「スケジュール」をテーマに、それぞれ3つのパターンを紹介しています。
- 議事録
- To Do 型:ネクストアクションの共有認識を構築することを重視
- 要点整理型(+To Do):込み入った議論の後でも皆が共通の理解をすることを重視
- 発言録型:一語一句正確に記録を残すことを重視
- スケジュール
- 方針レベル:月単位
- マイルストーンレベル:週単位
- デイリーアクションレベル:日単位
上記のような定番のフォーマットを理解しておくことで、幅広い状況に対応することができます。
まとめ
「説明力」の高い人というのは、誰もが理解しやすい定番のフレームワーク、構成、フォーマットを活用しています。これらを活用することは、自身の業務を効率化させたり、成果物の品質を高めることにもつながります。
頑張っているのに評価されない、説明が相手に伝わらないといった悩みを持たれている方は、是非本書を手に取ってみてください。
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