【読書感想】医者が教える食事術 最強の教科書 -糖質を制する者が健康を制する

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本書の概要

本書は、医者である著者が最新の医療データ、論文に基づき、正しい食事法を解説します。「不調の原因の9割は『血糖値』である」として、血糖値とその原因となる糖質に焦点を当て、健康になるための食事法を紹介します。本書では、世の中にある多くのエビデンスのない食事法を否定し、きちんとエビデンスに基づいた食事法を紹介していることが特徴です。なので、本書に掲載されている情報は基本的には信頼できる情報だと思います。(もちろん、人により個人差があったり、今後の研究により理論が変化したりすることもあるので、全てが正しいとは断定できませんが。)

著者のプロフィール

著者は牧田 善二氏です。以下プロフィールです。

AGE牧田クリニック院長。糖尿病専門医。医学博士。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。1996年より北海道大学医学部講師。2000年より久留米大学医学部教授。2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業し、延べ20万人以上の患者を診ている

Amazon「BOOK著者紹介情報」

生化学※の専門家であり、実際に20万人の患者を診療した経験と医療データ、論文に基づき、多数の書籍を出版されています。

※生命現象の恒常性がどのようにして維持されているか、あるいはどのように崩壊して病気を発症するかを物質化学的に研究する自然科学の一分野

http://www.jaob.jp/field/biochemistry.html

本書を読んだきっかけ

本書を読んだきっかけは、日々の生活の中で疲れを感じやすくなり、何か改善する方法がないか探していたところ本書を見つけました。あまり食事には気を遣っていなかったので、食事から健康を保つ良い方法がないか探してみようと思いました。

特にタイトルにあるように「医者が教える」という点も本書を選んだポイントです。巷には色々な健康方法がありますが、人によって言っていることが異なったり、医学的根拠に乏しい方法であったりと、なかなか信頼できる情報がありません。本書の著者は、生化学のプロであるという点であることから、情報も信頼できるものと思い、本書を手に取りました。

本書のポイント

本書では「不調の原因の9割は『血糖値』である」として、血糖値をコントロールすることにより、健康管理を行う方法が紹介されています。また、方法だけではなく、根拠となる理論、医療データなどが併せて紹介されており、納得感ある解説が掲載されています。

その中で、特に重要なポイントをいくつか紹介したいと思います。

「血糖値」が健康管理の最大のカギである

血糖値が高いことは良くない、ということは多くの人の共通認識ですが、具体的にどう良くないというのはあまり知られていません。血糖値が原因となる体の不調には以下のようなものがあります。

  • 肥満
  • 免疫力の低下
  • 老化
  • 集中力の低下
  • イライラ
  • 吐き気
  • 眠気

肥満の原因は脂質と思われがちですが、実は糖質(≒炭水化物)が原因なのです。脂質はそれがそのまま脂肪になるわけではなく、消化・吸収の過程で分解・合成され、新しい物質に変化します。一方で、糖質は100%吸収され、体内に蓄積されるため肥満を引き起こします。

また、糖質の摂り方を誤ると「血糖値スパイク」という現象が起き、集中力の低下、イライラ、吐き気、眠気といった悪影響を及ぼします。健康な人の血糖値は、空腹時で80~90mg/dlですが、清涼飲料水等を飲むと30分後には140mgまで一気に上昇します。これを血糖値スパイクと呼び、この状態ではセロトニンやドーパミンといった脳内物質が分泌され、至福な気分になります。その後、血糖値は一気に低下し、今後は逆に、イライラしたり、集中力が低下するといった状態に陥ります。疲れた時には甘いものが良い、とよく言われていますが、実際は一時的に至福な気分になるだけで、その後は不快感が襲ってくるのです。

このように血糖値というのは、私たちの健康に大きく関わっており、糖質をコントロールすることが非常に重要であるといえます。

現代人は「糖質中毒」になっている

現代人は、糖質を摂取した後の一時的な幸福感を求めて、糖質をたくさん摂ります。糖質は食事からとる炭水化物などからだけではなく、お菓子や清涼飲料水からも摂ることになります。現代社会では、この糖質が簡単に手に入るため、血糖値スパイクが容易に引き起こされます。そして、急激に血糖値が低下するため、再び幸福感を求めて糖質を摂取するという悪循環に陥るのです。

このようなことを繰り返していると、反応性低血糖という症状を引き起こします。これは、糖質を摂取した後のインスリンの放出が遅れがちになり、その間に血糖値が上がり続け、その上昇ぶりに慌ててインスリンが遅れて大量に放出される症状です。

このような状態になると、疲れやすい、集中力が持続しない、イライラする、吐き気、眠気といった不快な症状が発症します。現代人は、この不快な状態から、ハイな状態に戻るため再び糖質を摂るという中毒状態に陥っています。

縄文時代の食生活を意識する

現代人のDNAは縄文時代の人間のDNAを受け継いでいるため、縄文時代にはなかった食べ物は口にするべきではない」というのが本書の基本的な考え方です。縄文時代には精製された米を食べる習慣もなく、白い砂糖や砂糖を溶かした飲み物を飲むという習慣もありませんでした。現代の食生活は、人間の体の仕組みに合っていないといえます。当然、縄文時代の食生活に戻るということは不可能だと思いますので、まずは事実を認識することが重要だと思います。そして、簡単に手に入る糖質に手を出さないことが健康への第一歩です。

本書を読んだ上での実践

本書では非常に多くの食事法が紹介されていますが、全てを実践することは難しいと思いますので、できることから実践していきたいと思いました。

清涼飲料水を控える

まず、清涼飲料水をできるだけ飲まないことです。食べ物と違って液体の清涼飲料水は、非常にたくさん糖質を一気に摂取することができます。仕事中にも気分転換についつい甘い清涼飲料水を口にしてしまっていたのですが、これを控えることから始めたいと思います。どうしても清涼飲料水を飲まないとやってられないという状態もたまにあったので、おそらく糖質中毒に陥っていたのだと思います。

炭水化物を控え、脂質・タンパク質を多く摂る

ごはん、パン、そばなどの炭水化物はほとんどすべて糖質なので、糖質スパイクを引き起こさないためにも炭水化物を減らすことが重要です。1食で摂るお茶碗1杯のごはんですら、人間の体にとっては多すぎるので、ごはんを少な目にする、その代わりに脂質やタンパク質を多く摂ることを実践したいと思います。

特に、本書によれば脂肪を食べてもすぐに太ることはないのです。食べた脂肪がそのまま、皮下脂肪や内臓脂肪になるのではなく、人間の細胞をつくるリン脂質に変わったり、各種ホルモンの材料として使われたりするのです。多くの人が太ると思っている肉類は、肥満の原因ではないのです。なので、肉を食べることに罪悪感を感じる必要はなく、大手を振ってたくさん食べようと思います。

ゆっくり食べる、食べる回数を増やす

あとは食べ方の改善でも血糖値の急上昇を防ぐことができます。同じ食事でも、ゆっくり時間をかけて食べれば血糖値の上昇は緩やかで済みます。ファーストフードが好きなアメリカ人が肥満になりがちなのを見れば納得感があると思います。1人で食事をしているとどうしても食べるスピードが速くなってしまうため、誰かと話しながら食事を摂ったり、嚙む回数を意識的に増やしたり、工夫しようと思います。

また、一気に多くの食べ物を食べることも血糖値上昇の原因となるため、なるべく食事の回数を増やし、血糖値の上昇が緩やかになるように工夫することも意識したいと思います。

まとめ

本書では色々な食事法が紹介されていますが、まずは自分自身が糖質の摂りすぎであるという事実を認識することが重要だと思いました。そして、医学的根拠に基づかない健康方法、食品にすぐには飛びつかないことが大切です。本書を読み、「甘いものは疲れに良い」というのは広く社会に浸透していますが、これは大きな誤りだということに気づくことができました。正しい事実を認識し、誤った認識を改めることが健康の第一歩です。

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