東急電鉄、田園都市線梶が谷駅構内で列車接触・脱線事故

概要

2025年10月5日、東急田園都市線・梶が谷駅で5日午後11時4分ごろに、回送列車（10両編成）が車庫へ移動中に、同じホームに入ってきた中央林間発渋谷行きの各駅停車と接触した。

東急電鉄は、事故原因を信号装置に関するシステムの設定ミスが10年以上放置されていたことだと説明した。2015年3月の線路改修時、引き込み線に回送列車が停止した場合に、本来は衝突側の各駅停車に赤信号を表示すべきところ、青信号が表示されるよう設定が誤っていた。

事故は、速度超過で回送列車が所定位置の手前で停止した際、本来赤信号が表示されるべき各駅停車に青信号が表示されたことで、ATC（Automatic Train Control、自動列車制御装置）も作動せず、衝突に至った。

国土交通省関東運輸局は6日、東急電鉄に対し、原因を究明し再発防止策を講じるよう警告文書を出した。

原因仮説

信号システム改修時の設計・設定ミスと検証の完全な失敗

事故の直接原因は、2015年3月の線路改修時に行われた信号システムの設定ミス。改修工事後のシステム動作確認（試験）が不十分で設定ミスを検知できなかった可能性がある。

設定ミス（バグ）の「10年間放置」

2015年3月の改修から2025年10月の事故発生まで、約10年7ヶ月もの間、この重大な設定ミスが発見されずに放置されていた。信号システムの定期的な監査、安全機能の検証といった点検・管理が不十分であった可能性がある。

影響

2025年10月5日～6日に田園都市線と大井町線で計1107本が運休し、約65万2100人に影響が出た。

対応

再発防止策を徹底すると表明。

URL

https://www.tokyu.co.jp/company/information/detail/59191.html

https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail2.php?id=2047