千葉県いすみ市、HP掲載資料の黒塗り部分をコピーで氏名が判明

2025年10月8日2025年11月24日

「悪意はなかった」が通用しない時代。なぜ、あの企業は炎上したのか？

SNSが普及して十数年が経過しましたが、企業の炎上は一向になくなりません。中小企業から大手企業、公的機関に至るまで、些細な発言や行動が火種となり、瞬時に信頼とブランドを失うリスクが日常となっています。

本書は、この「なくならない企業の炎上」の根本原因を徹底的に分析し、現代企業が生き残るために必須の危機管理戦略をご提供します。

炎上の構造と真の原因
30の最新事例からの具体的な教訓
炎上を防ぎ、沈静化させる組織戦略

概要

2025年10月1日千葉県いすみ市は、ホームページ内の地域計画におけるPDF資料内の氏名欄を黒塗りにしていたが、コピーにより氏名が確認できる状態になっていたと発表した。

2025年4月1日に地域計画における各地域のPDF資料を掲載。2025年9月6日、各地域の農業を担う者一覧内の黒塗り部分をコピーすると氏名が確認できるとの指摘を受け、9月8日にホームページを非公開にした。

原因仮説

「墨塗り」処理に関する技術的知識とリスク認識の欠如

担当職員が、PDFの編集機能や墨塗り（マスキング）処理に関する基本的な技術的知識を欠いており、
文字の上に単なる黒い図形（四角など）を重ねるか、またはハイライト機能など、元のデータが残存する編集方法を採用した。

公開前のダブルチェックの機能不全

担当者や上長が、「PDFを単純に目視で確認」するだけで、「コピー＆ペーストが可能か」「別の編集ソフトで開いた場合に復元できないか」といった技術的な検証を怠った可能性がある。

影響

ホームページ内の地域計画における各地域のPDFデータ内の氏名情報5,162件（個人、法人）が漏えい。

対応

2025年9月30日に、国の個人情報保護委員会へ本件の事実関係や再発防止策等について速報を報告
個人情報の取扱い及び情報管理の徹底等について、厳重な注意喚起を行う。
- 課内・庁舎内での事例共有
- 情報公開のマニュアルを作成し、担当課におけるダブルチェック、個人情報関係部署の再チェックの実施
- 課内における情報セキュリティ・個人情報の取扱いに関する意識を高めるため、庁舎内研修へ積極的に参加