本書では、簡単なアプリ開発を通じて、PythonのWebアプリケーションフレームワークであるDjango(ジャンゴ)について一通り学ぶことができます。
本書の概要
本書のChapter1~3までは、Webアプリ開発の流れ、Djangoの特徴・全体像について解説が行われ、Chapter4以降では、実際に作業を行いながらWebアプリ開発について学習します。ただし、初学者向けではなく以下の読者が対象となっています。
- HTMLとCSSで簡単なWebページが作れる
- Pythonの基本が理解できている
- Linuxの基本的なコマンドが使える
隠れテーマとして「一人でもサクッと会員制Webアプリを作って運用までを行う」というものがあり、どのようなソフトウェア、サービスを利用すればよいのかという点も明確になります。ダウンロードサイトから実際のコードをダウンロードすることができ、自分の書いたコードと見比べながら進めることができます。
本書を通じて学べる事
Webアプリの仕組みと開発の流れ
本書では、基本的なWebアプリの仕組みの解説からスタートします。普段我々が使用しているWebアプリがどのような仕組みで動いているのか、どのような処理が行われているのかを図を用いて解説しています。
その上でWebアプリの開発手順を大きく3つのプロセスに分けて整理をしています。
- 開発前の準備
- 開発作業
- 本番運用
そして、今回用いる具体的なツール(Python、Django、Visual Studio Code、Bootstrap、PostgreSQLなど)とその詳細が説明されています。なぜこのツールを用いるのかという点も明確にされているため、納得感を得ながら読み進めることができます。実際に自分自身でアプリを開発するにあたって、どのようなツールを選択すべきかの参考になると思います。
Djangoの体系的な知識
Python用のフルスタックWebアプリフレームワークであるDjangoの歴史、全体像、プロジェクト構造、以下の各コンポーネントの役割について体系的に学ぶことができます。
- ルーティング
- ビュー
- フォーム
- モデル
- テンプレート
Djangoのプロジェクト構造が図解されており、それぞれのコンポーネントがどのように連携しているのか、また、リクエストからレスポンスを返すまでの一連の処理の流れが明確になります。しかし、Djangoの初学者がいきなり理解することは難しいため、後述する開発を実践しながら反復学習することをおすすめします。
Djangoによる具体的な開発と運用
本書では、簡単な日記アプリを作成し、インターネットに公開するまでを実際に手を動かしながら学習することができます。プロジェクトフォルダを作成し、コーディングを行いながら、問い合わせページ、フォーム機能、認証機能などの機能を実装していき、動的なアプリケーションに仕上げていきます。プログラムの内容は初学者には難しい部分も多いですが、まずは深く考えず開発の流れに沿って進めていくことをおすすめします。
また、開発環境で動かすだけでなく、AWSへのデプロイ、ドメイン管理と最低限のセキュリティ設定までを体験することができます。AWSのアカウントを作成し、本番環境にDjangoソースコードを配置し、各種設定を行う部分までが詳細に解説されており、Webアプリを本番環境で運用するまでを学ぶことができます。
知識だけでなく、実際に動くWebアプリを開発することでより実践的な知識を身につけることができます。
まとめ
プログラム初学者には少し難易度の高い内容となっていますが、コンポーネントやコードに関する説明は詳細に記載されているため、根気よく勉強すれば理解することができます。最初はあまり深く悩まず、どんどん開発を進めていき、その後振り返りながら疑問点を解消していくのが良いでしょう。
Djangoを用いたWebアプリ開発に挑戦してみたい方は、是非本書を手に取ってみてください。
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