社内で企画を提案する、顧客に商品を説明するといった様々な場面でプレゼンテーションを行う機会があります。また、プレゼンテーションを行う場面では重要な意思決定を伴うことが多いです。そのため、相手に魅力的に見える伝え方を学ぶことが大切です。
本書の概要
プレゼンテーションを行う際には、Why-What-Howの設計が重要になります。
- Why:なぜ、何のためにこのプレゼンテーションを行うのか?
- What:成功するにはコミュニケーション戦略上、何をすべきか?
- How:具体的にいかに実行すべきか?
プレゼンテーションには必ず聞き手がいます。その聞き手がどのような期待値を持っているかを理解して上で、プレゼンテーションの設計を行う必要があります。
本書では、ビジネスにおけるプレゼンテーションの位置づけ、マインドセット、準備、資料作成、発表まで、プレゼンテーションの一連のプロセスを学ぶことができます。
本書を通じて学べること
プレゼンテーションのゴール
プレゼンテーションには必ず何かしらの目的があります。「社内で企画を承認してもらう」「顧客に商品を買ってもらう」といったゴールがあるはずです。そのためには、プレゼンテーションの相手が何に困っているか、何を期待しているかを正確に理解する必要があります。
- キーパーソンは誰か
- キーパーソンどのような視点で物事を見ているか
- キーパーソンは現状をどの程度理解しているか
- キーパーソンの嗜好、社風は
- キーパーソンの抱えている課題は
上記のような観点を踏まえ、自身もプレゼンテーションのゴールを明確にすることによって、魅力的なプレゼンテーションを行うことができます。本書では上記のような観点を分析するための手法を学ぶことができます。
プレゼンテーションのストーリー
プレゼンテーションはただ情報を並べても相手の理解を促すことはできません。合理的かつ聞き手にわかりやすく、感情移入してもらうようなストーリー(物語)を構築することが必要です。
良いストーリーにするためには、「信頼訴求・合理訴求・感情訴求」を組み合わせ、相手の共感を生み出すことがポイントになります。
- 信頼訴求:話し手自身や情報源に対する信頼感を通じて説得する方法(エトス)
- 合理訴求:論理的な根拠や客観的な事実で説得する方法(ロゴス)
- 感情訴求:相手の感情に訴えかける ことで、共感や行動を促す方法(パトス)
本書では「導入(信頼訴求)⇒本論(合理訴求)⇒結び(感情訴求)」という順序でストーリー展開を行う上でのポイントを学ぶことができます。
プレゼンテーションの実演・準備
プレゼンテーションを成功するためには事前の準備・リハーサルが重要になります。形式的な観点では、会議室のレイアウト、プレゼンテーションの機材など当日不備がないように確認しておくことが必要です。内容面では、資料の内容にミスがないか、当日どのような質問が来るかといった観点を確認します。
プレゼンテーション本番においても、一つ一つの立ち振る舞い、口調、目線などによって相手の受ける印象は大きく変わります。プレゼンテーションのゴール・ストーリーで確認したように、プレゼンテーションの実演においても相手の立場に立った配慮というのが求められます。
本書では、プレゼンテーション当日までの準備、当日の実演のポイント、緊急時の対応を学ぶことができます。
まとめ
プレゼンテーションの成否はいかに相手の立場に立って準備・実演を行えるかがポイントになります。自分の言いたいこと、調べたことだけを伝えても相手は決して理解はしてくれません。相手が達成したい目的は何か、何を期待しているか、どのような説明がわかりやすいか、といった観点を十分に検討することが大切です。
プレゼンテーションの進め方がわからない、自分のプレゼンテーションの質を上げたいという方は、是非本書を手に取ってみてください。
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