【おすすめ書籍/書評】外資系コンサルのリサーチ技法 | インサイトを導くためのリサーチテクニックが身につく!

多くのビジネスパーソンが日々何らかの情報収集を行っています。一方で、情報収集自体が目的になってしまい、思うような成果が出ないということもあるのではないでしょうか。本書では、意思決定に寄与する洞察(インサイト)を導くためのリサーチテクニックを学ぶことができます。

目次

本書の概要

リサーチを行うには何かしらのアウトプットを目的としています。そのため、リサーチではただ情報を集めるのではなく、情報を読み解き価値のあるインサイト(洞察)を導出する必要があります。近年では、生成AIの登場により、必要な情報は簡単に手に入るようになりましたが、インサイトを得るためには情報を整理・加工するスキルも求められます。

本書では、基本的なリサーチな流れ、どのようなソース(情報源)から情報を得るのか、また、情報の収集・分析・解釈の方法が紹介されています。また、ケーススタディもあるので、実際に手を動かしながら学ぶことができます。

本書を通じて学べる事

リサーチの基本的な流れ

上司から「○○調べておいて」という指示があったとします。このような場合、いきなりインターネット検索をしては上司が期待する成果を得られない可能性が高いです。リサーチは以下の4つのステップで進めていきます。

  1. 目的の確認
  2. リサーチプランの設計
  3. リサーチの実行
  4. アウトプット化

特に「1.目的の確認」を怠ってしまうと、リサーチした内容が無駄になったり、良いアウトプットを創出することができないです。上司からの指示があった場合でも、上司はどのような課題を解決したいのか、「答えるべき問い」を明確にすることが重要です。

本書では、効果的かつ効率的に最終的なアウトプットを創出するためのプロセスを学ぶことができます。

様々なリサーチ技法

リサーチにも様々な手段があり、それぞれ一長一短、注意すべき点があります。最も手軽なリサーチ手法にWeb検索があります。Web検索では、膨大な情報にアクセスできる反面、無駄に時間を取られてしまい結局何もわからないといった事態に陥る可能性もあります。Web検索の場合、以下のようなルール・テクニックが紹介されています。

  • ルール:
    • ゴール×時間を最初に設定する
    • 情報発信元のポジション・情報の鮮度を常に意識する
  • テクニック:
    • 検索ワードを磨く
    • 画像検索を使いこなす
    • タブブラウジングを使って効率的に信憑性を高める
    • Google検索の使えるTips
    • 言語に合わせた検索エンジンンの活用
    • Webスクレイピング

本書では、それぞれのリサーチ技法に対してルール・テクニックが紹介されており、効率的に情報を入手する方法を学ぶことができます。また、アンケート調査やインタビューなど自ら情報をつくるリサーチ技法についてもポイント・テクニックを学ぶことができます。

リサーチ結果のアウトプット

リサーチは最終的なアウトプットを念頭にどのようなリサーチ技法を使用するか、どのように情報を整理するかを設計する必要があります。リサーチのアウトプットは、文章、表、グラフ、図など様々なパターンがあります。たとえば、グラフで定量的に示す場合は、数値をどのように定義するか、調査範囲はどこまで広げるか、いつのデータを調査するかといった観点を検討する必要があります。

本書では、ケーススタディを通じて目的に応じてどのようなアウトプットを作成するか、どのようにリサーチを設計するかを学ぶことができます。実際のグラフや図が掲載されており、実践イメージをつかみながらリサーチの進め方を学習することができます。

まとめ

情報が簡単に手に入る現代だからこそ、思考しながらリサーチを行うことの意義が大きくなっています。目的に応じてリサーチプランを立て、最短で結果を出すことがリサーチャーには期待されていると思います。本書では、リサーチャーに求められるスキルを体系的に学ぶことができます。

業務でリサーチを担当するマーケター、コンサルタントの方は、是非本書を手に取ってみてください。

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この記事を書いた人

Junyaと申します。都内のコンサルティングファームで働いております。まだまだ若輩者ですが、私の得た経験や感じたことを本ブログで紹介できればと思います。
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