こんにちは、Junyaです。
皆さんは食事をどのような基準で選んでいますか。味、価格、カロリー、栄養、お店の評判など色々あると思います。健康寿命を延ばすという観点では、健康に良いものをとりたいところですが、「健康に良い」とは何でしょうか。
世の中には、「卵が健康に良い」、「ヨーグルトがお腹に良い」、「清涼飲料水が良くない」といった各論的な情報はたくさんありますが、それらの根拠となるような情報への理解というのは不足しているように感じます。
「何を食べると健康に良い」と短絡的に考えるのではなく、「このような栄養素が含まれているから体にこのように作用する」と原理原則に基づいて考える必要があるように思います。すべての人にとって健康に良いものは存在しないからです。
本記事では、3大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)の中の役割を概観しつつ、炭水化物の役割を深く見ていきたいと思います。
3大栄養素の役割
3大栄養素のそれぞれの役割を簡単にまとめると次の通りです。
炭水化物、脂質、タンパク質それぞれに異なる役割があるため、基本的にはどれも不足してはいけない栄養素です。
栄養素 | 主な役割 | エネルギー量 |
---|---|---|
炭水化物(糖質) | エネルギー源 | 4kcal/g |
脂質 | エネルギー源 細胞膜、ホルモンの材料 | 9kcal/g |
タンパク質 | エネルギー源 肌、骨、筋肉等の材料 | 4kcal/g |
エネルギー源はとなるのは共通ですが、エネルギーの量が異なります。kcal(カロリー)は1Lの水の温度を1度上げるのに必要なエネルギーとなります。
人間のエネルギー消費は、基礎代謝、身体活動量、食事誘発性熱産生に分けられ、約60%が基礎代謝、約30%が生活活動量、約10%が食事誘発性熱産生の割合で消費されます。
基礎代謝 | 心身ともに安静な状態の時に生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー |
身体活動量 | 生活をするうえでの活動、歩く、家事をする、仕事をする、運動をするときなどに消費されるエネルギー量 |
食事誘発性熱産生 | 食事をするときに消費するエネルギーの量 |
炭水化物とは
炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものです。
炭水化物が多く含まれる食材が次の通りです。
- 穀類(ごはん、パン、めん類など)
- イモ類(サツマイモ、ジャガイモなど)
- 野菜類(かぼちゃ、トウモロコシなど)
- 果物類(バナナ、マンゴー、干し柿、ブドウなど)
- 砂糖・甘味類(上白糖、ハチミツ、メープルシロップなど)
糖質の役割
糖質は体内でブドウ糖に分解され、身体のエネルギー源として利用されます。
糖質が不足すると疲労感や倦怠感が生じます。また、身体は糖質が不足すると肝臓に蓄えられたグリコーゲンを使ってエネルギーを補おうとしますが、これを使い果たすと
逆にとりすぎると、体脂肪として蓄積され、肥満や糖尿病の原因となります。
ごはんやめんなど糖質を多く含む食材は、肉や魚などに比べてたくさんの量を食べることができるので、基本的には食べ過ぎに注意した方が良いと思います。一方で、糖質はインスリンというホルモンを分泌し、筋肉の回復、合成を促す作用もあるので、たくさんとることも有利に働く場合もあります。
GI値とは
糖質を理解する上で重要な概念がGI値です。
糖質を含む食材にも低GI、高GIの食材があります。
GIとは、「グリセミックインデックス/Glycemic Index」の略です。食後の血糖値の上昇度を示す指数で、この値が高いほど血糖値が一気に上昇します。
糖質を摂取すると体内で消化され、ブドウ糖になり血液中に運ばれますが、血糖値というのは血液中にブドウ糖がどれだけ存在するかを示す値となります。
高GI食品は消化吸収が早いため、食後に血糖値が一気に上昇し、多量のインスリンが分泌されます。
低GI食品は消化吸収がゆっくりなため、食後に血糖値が緩やかに上昇し、インスリンの分泌も緩やかです。
どちらが良いかというと基本的には低GI食品です。
高GI食品は血糖値が急激に上昇し、多量のインスリンが分泌されたり、分泌が追い付かなくなることがあります。食後に血糖値が一時的に上昇し、インスリンのはたらきにより急激に低下する状態を血糖値スパイクといいます。血糖値の急激な変動により、血管の壁が傷つき、動脈硬化が進みやすくなります。結果として、糖尿病・認知症・がん・心筋梗塞・脳梗塞のリスクが上昇します。
食物繊維
食物繊維は体内で消化・吸収されずに便として出るだけです。一方で腸の動きを活発にさせて排泄を促したり、腸内環境を整えるという役割があります。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は水に溶ける繊維で、次のような役割があります。
- 脂質の消化吸収を抑える
- コレステロールの吸収を抑える
- 血糖値の急上昇を抑える
- ナトリウムの排出を促す
例えば、高GI食品と組み合わせることで、消化吸収のスピードを抑え、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
水溶性食物繊維が含まれる食材は、果物類、野菜類、こんにゃく、昆布、わかめなどです。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維とは水に溶けない繊維で、次のような役割があります。
- 水分を吸収し膨れ上がり、満腹感をもたらす
- 便をやわらかくし、排便をスムーズにする
- 有害物質を吸着して排出する
不溶性食物繊維は栄養として吸収されずに、満腹感を与えてくれるので、ダイエットの時に役に立ちます。
ただし、とりすぎると必要な脂肪やミネラルの吸収を阻害することもあるので、多ければ良いというわけではありません。
不溶性食物繊維が含まれる食材は、穀類、野菜類、豆類、きのこ類などです。
まとめ
以上、炭水化物(糖質・食物繊維)の役割をみてきました。
最近では過度な糖質制限をさけぶ論調が多いような気がします。糖質は決して敵ではなく、我々の重要なエネルギー源だということをまず理解することが重要であると思います。本記事で紹介したGI値などを理解して糖質とうまく付き合っていくことで、健康寿命を延ばすことができると思います。
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